2012年06月05日 公開

いびきをかく子供で行動障害リスクが増加傾向―米研究

 米ミシガン大学睡眠障害センターのRonald D. Chervin所長(神経内科)らは、いびきなどの睡眠中の呼吸障害を持つ子供では、多動性や攻撃性などの行動障害、また情緒的症状や仲間との関係における問題が多く発生する傾向にあることが明らかになったと、米医学誌「Pediatrics」(2012; 129: e857-e865)に発表した。

1歳未満の症状が7歳時に影響

 睡眠呼吸障害の特徴は、いびき(通常は口呼吸を伴う)と睡眠時無呼吸。子供の場合、発症率は2~6歳でピークを迎えるが、それよりも低い年齢でも発症する。米国耳鼻咽喉・頭頸(けい)部外科学会によると、子供のおよそ10人に1人が日常的にいびきをかき、2~4%に睡眠時無呼吸が認められるという。睡眠呼吸障害の一般的な原因は、扁桃(へんとう)肥大または咽頭扁桃増殖症(アデノイド)だ。

 Chervin所長らは、英国を中心とした研究に参加した1万1,000人の子供を6年以上追跡した。生後6カ月に最も多く睡眠呼吸障害の症状が出ていた子供では、正常呼吸の子供と比べ、7歳で行動障害を発症する割合が40%高く、同様に生後18カ月の場合は50%高かった。最も重度の行動障害が見られた子供では、研究の追跡期間を通して睡眠呼吸障害の症状が続き、生後30カ月(2歳半)で最も重かったという。

 筆頭研究者である米アルバートアインシュタイン医科大学のKaren Bonuck教授(産科婦人科)は「今回の研究結果は、いびきや睡眠時の口呼吸と無呼吸が子供に行動的、社会情緒的に重大な影響を及ぼし得ることを示した。親と小児科医は、生後1年から子供の睡眠呼吸障害に細心の注意を払うべきだろう」と強調している。

 睡眠時呼吸障害は、(1)脳の前頭前皮質(認知行動や人格、社会的行動などをつかさどる前頭葉の前側)の酸素濃度を低下させる、(2)睡眠の体力回復プロセスを妨げる、(3)さまざまな細胞系と化学系の均衡を妨害する―など、いくつかの過程を経て脳に影響を及ぼす可能性があるという。

(編集部)

関連リンク(外部サイト)