2012年07月10日 公開

薬指や小指がしびれる...「肘部管症候群」かも?

肘関節の使い過ぎや変形が原因

 肘部管(ちゅうぶかん)症候群は、肘関節の使い過ぎや変形によって起こる。ひどくなると薬指と小指が伸びなくなって日常生活に支障を来すので、早期発見による早期治療が大切だ。

物をつまめなくなる

 肘部管症候群の病態について、順天堂大学医学部(東京都)整形外科スポーツ診療科の池田浩先任准教授は次のように話す。

 「肘関節の内側にある肘部管には、小指と薬指の小指側半分の知覚を支配する尺骨神経が通っています。肘関節の使い過ぎ、加齢に伴う変形など何らかの原因によって肘部管が狭くなり尺骨神経が締め付けられると、手の筋肉の萎縮(いしゅく)や薬指と小指のしびれなどの症状が起こる病気です」

 ひどくなると薬指と小指が曲がったままになったり、筋力が衰えて物をつまめなくなったりする。

重い物を持たない

 早期に整形外科を受診すべきだが、頸椎(けいつい=首の骨)の椎間板ヘルニアでも似た症状が見られる(関連記事)。このため、診断にはこの鑑別が欠かせない。

 「肘部管症候群は、尺骨神経に電気刺激を加えて神経の伝道速度を測る検査で分かります。頸椎の障害は磁気共鳴画像診断装置(MRI)による検査で分かります。中には両疾患を合併している場合もあるので、必ずこれらの検査を受けるべきです」(池田先任准教授)

 肘部管症候群と診断がつけば、神経の炎症を抑えてしびれを取るビタミン剤が用いられる。それとともに日常生活では、肘を曲げたときに症状が強く出るようなら、パソコン操作時は肘を伸ばす、寝るときに肘を曲げて頭の下に置くのを避ける、重いものを持たない―など、肘関節に負担を掛けないように心掛ける。

 こうした保存療法で改善しない場合は、手術が必要になる。その意味でも早期に受診した方がよい。

(編集部)

2009年8月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)