2012年09月03日 公開

皮膚がんの一種「メラノーマ」、多いのは足の裏

シミやホクロに似た変化起きる

メラノーマの一例
メラノーマの一例

 足の裏などに茶色、ないし黒いホクロのようなものや、手足の爪に黒い縦筋ができていたら、皮膚がんの一種であるメラノーマ(悪性黒色腫)のことがある。病状が進むと命に関わることもあるので、早めに皮膚科を受診することが必要だ。東京医科大学病院皮膚科の入澤亮吉医長に聞いた。

色素細胞が悪性化

 皮膚の色素を作る細胞をメラノサイト(色素細胞)という。「このメラノサイトが何らかの原因で悪性化したものがメラノーマです」と、入澤医長は説明する。

 症状は早期ではシミやホクロと似ているので気付かないこともある。発症する場所は足の裏が一番多いが、他に手足の爪や顔など体の皮膚の至る所、目の中にもできる。

 足の裏のメラノーマは、最初は茶色のシミができて、その色が濃くなり、まだらに拡大していく。進行すると、シミが盛り上がったり形がいびつになったり、じくじくとした潰瘍になることもある。

 皮膚科では専門医によっていろいろな検査が行われる。診断が難しい場合は患部を摘出して顕微鏡で調べる病理検査や、他臓器への転移の有無を見るためにコンピューター断層撮影(CT)、磁気共鳴画像診断(MRI)、陽電子放射断層撮影(PET)などで画像診断することもある。

向上した診断力

 「最近は患部に強い光を当てて特殊な拡大鏡で深部まで見るダーモスコープ検査が一般的になり、診断力は格段に向上しました」(入澤医長)

 治療はがんの進行度によって手術、化学療法や放射線療法などが選択される。これまでの手術療法では、がん細胞の転移の可能性のあるリンパ節を全部切除するため、術後に脚などがひどくむくんでしまうことが少なくなかった。しかし、最近はセンチネルリンパ節生検といって、放射性同位元素を使いリンパ節への転移の有無が調べられるようになった。

 「転移がなければリンパ節を取らなくて済むので、術前と同様のQOL(生活の質)が維持できるのです」と、入澤医長はメリットを強調している。

(編集部)

2010年6月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)