2012年09月28日 公開

増える「ランナー膝」、膝の外側上部に痛み

自分のペースで楽しもう

 ランニングを楽しむ人が増えるに伴って「ランナー膝」と呼ばれる膝の障害に悩む人が増えてきた。名古屋市立大学病院整形外科の小林正明教授は「自分に合った距離や速度を守り、レベルは徐々に上げるようにしていくことが予防になります」と、ランニングを長く楽しむコツを紹介する。

靴選びも大切

 ランナー膝は、膝の屈伸を繰り返すことによって膝の周辺に炎症が起きるスポーツ障害。太ももの外側には骨盤からすねまで腸脛靱帯(ちょうけいじんたい)が通っている。この靱帯が膝の曲げ伸ばしによって膝の関節に繰り返しこすり付けられて炎症を起こし、膝の外側上部に痛みが生じるのだ。

 「距離が伸びスピードが上がると、それだけで膝に負担が掛かります。痛みは自分の能力を超えている信号なので、いきなり高い目標を設定しないことです」と小林教授。

 靴の選び方も重要。フルマラソンに挑戦するのでもない限り、初心者用の靴で十分。むしろ、初心者用は靴底が厚くてクッション性が良く、かかとの収まりも良いので、膝への負担を軽減する。気を付けたいのは靴の裏側のチェックだ。ベースの色が見えるまで履き続けないこと。左右どちらかでも見えそうになったら履き替える。履き替えは大体1,000キロ走った頃を目安にする。

やめれば治る

 靴の外側がすり減る場合はO(オー)脚傾向が強いので注意したい。O脚の人は膝が外に張り出しているため、腸脛靱帯が強くこすり付けられてランナー膝を起こしやすい。

 走るコースは、アンツーカーや芝生など膝への衝撃が少ない場所が好ましく、道路の端など路面が傾いている場所は避ける。周回コースでは、右回りと左回りを同じ距離にする。

 小林教授は「ランナー膝による痛みは、走ることをやめれば通常は2~3日で治まります。1週間休んでも痛みが消えなかったり、膝が腫れたりしているようなら、専門的治療が必要な半月板損傷や変形性膝関節症(関連記事)などの疾患も考えられるので、整形外科を受診してほしい」と注意を促している。

(編集部)

2010年10月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)