2012年12月18日 公開

ビタミンDを加えた治療で結核の回復促進―英研究

結核治療薬との併用で

 英医学研究会議・国立医学研究所のAnna K. Coussens氏らは、結核治療薬と高用量ビタミンDを併用投与すると結核患者の回復が早まる可能性があることを、米医学誌「PNAS」(2012; 109: 15449-15454)に発表した。ビタミンDはさまざまな炎症を抑える効果が指摘されているが、今回の研究では、高用量のビタミンDによって感染に対する体の炎症反応が抑制され、回復が早まり、肺障害が抑えられる可能性があることが示されたという。

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痰から結核菌が短期間で消失

 Coussens氏らは、通常の結核治療薬による治療を受けている結核患者95人を、治療の最初の8週間に高用量ビタミンD(2.5mgを2週間置き)を服用するグループ44人とプラセボ(偽薬)を服用するグループ51人に、ランダムに分類した。

 その結果、ビタミンD群では血液中の炎症反応を示すさまざまな値が急速に低下し、その程度も大きかった。また、ビタミンD群では結核菌が痰(たん)から短期間に消失。顕微鏡で検出できなくなるまでの平均日数は、プラセボ群の36日に対し、ビタミンD群では23日だったという。

他の肺感染症にも有効か

 Coussens氏らは「ビタミンDは、結核患者の炎症反応をいち早く鎮める可能性があることが示された。炎症反応によって肺組織の障害が引き起こされる可能性があるため、今回の研究結果は重要だ。患者の炎症期間が短縮すれば、それによって肺障害の程度が軽減される可能性がある」と述べている。

 今回の研究では、ビタミンDが結核の回復を促すだけでなく、肺炎など他の病気の回復も促す可能性があることも示された。同氏らは「結核治療薬の効果を損なわずに炎症反応を抑えるビタミンDを活用すれば、他の肺の感染症でも効果を発揮するかもしれない」と述べている。

 その一方で「全ての結核患者に対して高用量ビタミンDを投与するよう推奨するのは時期尚早」とし、より大規模な研究を行い、ビタミンDの効果が最大限となるような用量や剤形(飲み薬や注射剤など薬の形)について検討する必要があると付け加えている。

(編集部)

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