2013年02月27日 公開

オリーブ油やナッツの心臓病予防効果、科学的に証明される

心臓病リスク3割減―スペイン研究

 南イタリアやスペインなどの南欧で日常的に食べられている料理「地中海食」。オリーブ油やフルーツ、ナッツ類などを豊富に含み、心臓病などを予防する可能性が複数の研究で指摘されてきた。その研究結果を裏付ける報告が、2月25日発行の米医学誌「New England Journal of Medicine」(電子版)に発表された。これまでの研究よりもさらに精度の高い手法で行ったもので、報告したスペインの研究グループによると、オリーブ油やナッツ類を積極的に食べた人たちでは、そうでない人たちと比べて5年間の心臓病や脳卒中を発症するリスクが約3割減ったという。対象者は糖尿病や高血圧、喫煙、肥満などの危険因子を持っており、さらに半数近くが高血圧治療薬や脂質異常症治療薬を服用していたというから、その効果は大きいと言えるだろう。この報告は、2月25日に米カリフォルニア州で開かれた「第6回国際菜食主義栄養学会議」でも発表された。

運動推奨やカロリー制限なしで飲酒もOK

 研究グループは、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患にかかったことはないものの、(1)糖尿病、(2)喫煙、(3)高血圧、(4)LDL(悪玉)コレステロール値が高い、(5)HDL(善玉)コレステロール値が低い、(6)過体重(小太り)または肥満、(7)若いうちに心血管疾患にかかった家族がいる―のうち3つ以上を持つ、心血管疾患リスクが高い7,447人(55~80歳、女性57%)を対象に、

  1. 1日50ミリリットル相当のエクストラバージンオリーブ油摂取を目標とするオリーブ油群
  2. クルミ15グラム、アーモンド7.5グラム、ヘーゼルナッツ7.5グラムを摂取目標とするナッツ群
  3. 植物油(オリーブ油を含む)の摂取を1日スプーン2杯以下に制限した対照群

―の3グループに、ランダムに割り付けた。

 オリーブ油群とナッツ群では、トマトやタマネギ、ハーブを含む調味料「ソフリート」や魚介類など、典型的な地中海食を食べることが推奨されたほか、習慣的に飲酒をしている人に対しては、1週間当たりグラス7杯以上のワインを食事と同時に飲むことも許可。対照群では油脂分だけでなく、地中海食も制限した。総カロリー制限や運動は推奨しなかったが、3グループともに栄養士による指導が行われた。

脳卒中リスクの低下が最も顕著

 中央値で4.8年間追跡した結果、心筋梗塞+脳卒中+心血管疾患による死亡の複合では、288人(オリーブ油群96人、ナッツ群83人、対照群109人)に発生していた。対照群と比べたこれらのリスクは、オリーブ油群で30%低く、ナッツ群でも28%低下していた。

 心筋梗塞、脳卒中、心血管疾患による死亡をそれぞれで検討した結果、オリーブ油群、ナッツ群ともに脳卒中リスクが33%減、46%減と最も顕著だった。

 以上の結果から、研究グループは「心血管疾患になるリスクが高い人に対して、カロリー制限をせずオリーブ油またはナッツ類の積極的に取る地中海食は、心筋梗塞や脳卒中、心血管疾患による死亡の発生率を減少させる」と結論した。

(編集部)

関連リンク(外部サイト)