2013年06月10日 公開

ベジタリアン食で死亡率が低下、女性では認められず

7万3,000人を解析―米研究

 野菜や果物などを中心としたベジタリアン食(菜食)については、死亡率の減少効果が示唆されているが、明確なエビデンス(科学的根拠となる研究結果)は報告されていないという。米ロマリンダ大学公衆衛生学部のMichael J. Orlich氏らは、菜食主義の人ではそうでない人に比べて死亡率が12%低下したという研究結果を、6月3日発行の米医学誌「JAMA Internal Medicine」(電子版)に発表した。Orlich氏らは、食事指導を行う医療者はベジタリアン食を考慮すべきと主張している。

菜食主義を4種類に分けて検討

 Orlich氏らは、2002~07年に米国とカナダのセブンスデー・アドベンチスト教会(菜食主義を推奨するキリスト教の一派)に登録している男女計9万6,469人のうち、1日当たりの摂取エネルギーが500キロカロリー以上、4,500キロカロリー未満で、特定のがんや心臓病などにかかったことがある人を除外し、生年月日を含むデータが得られた25歳以上の計7万3,308人を対象に検討した。

 対象者は、食事に関するアンケートから菜食主義でないグループ(対照群、3万5,359人)と菜食主義のグループに分類し、菜食主義グループは以下の4グループに細分化された。なお、「ペスコ・ベジタリアン」と「セミ・ベジタリアン」は国際団体などから菜食主義者として認められていないという。

  1. ビーガン群(5,548人)...植物性食品しか食べない完全菜食主義
  2. ラクト・オボ・ベジタリアン群(2万1,177人)...植物性食品に加えて乳製品と卵を食べる乳卵菜食主義。欧米人に多い
  3. ペスコ・ベジタリアン群(7,194人)...植物性食品と乳製品、卵に加えて魚肉も食べる魚肉菜食
  4. セミ・ベジタリアン群(3万5,359人)...普通より肉を食べる量が少ない半菜食

セミ・ベジタリアンでは効果なし

 平均5.79年追跡した結果、対照群と比べて菜食主義の4グループでは死亡リスクが12%低下しており、1,000人当たりの年間死亡数もセミ・ベジタリアン群以外の3グループで低下していることが分かった。

 また、男性では死亡リスクが18%低下していたが、女性では統計学的に顕著な差が認められなかった。死因別では、腎臓病が菜食主義の4グループで52%減、糖尿病などの内分泌疾患で39%減と大きく低下していた。

 今回の結果について、Orlich氏らは「大規模な研究で、ベジタリアン食全般が死亡率の低下と関連することが示された。特に、ビーガン、ラクト・オボ・ベジタリアン、ペスコ・ベジタリアンについてはその関連が強いことが分かった」と結論。「食生活の選択肢や医療者による食事指導の際に、今回の結果を十分に考慮すべき」と主張した。

(編集部)

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