2013年08月05日 公開

首の骨の病気「頸椎症」、手足にしびれや痛み

加齢などで変形

頸椎カラーでの固定も治療法の一つ
頸椎カラーでの固定も治療法の一つ

 年を取ると腕や手に痛みやしびれが出たり、歩きにくくなったりすることがある。頸椎(けいつい)症など、首の骨の病気の可能性もあるので、神経を専門に診る神経内科を受診するとよいようだ。頸椎症などについて、帝京大学医学部(東京都)神経内科の園生雅弘主任教授に聞いた。

神経根、脊髄を圧迫

 背骨は椎骨と呼ばれる骨が24個つながってできている。1個1個の椎骨は椎体と椎弓から成る。椎体と椎弓に挟まれた空間は脊柱管と呼ばれ、その中を脳から続く脊髄が通り腰椎まで至っている。椎体と椎体の間には椎間板という軟骨があって緩衝材としての役割を果たしている。頭に近い7個の椎骨が頸椎で、そこから出ている左右8対の神経根が首や肩をはじめ、腕、指先まで伸びている。

 頸椎症は頸椎の病気の一つ。加齢などが原因で頸椎が変形すると、いろいろな症状が表れる。園生主任教授によると、症状の表れ方は2通りあるという。椎骨の変形で神経根が圧迫されると、首、肩、腕にしびれや痛みが起こったり、手に力が入らなくなったりする。脊髄が圧迫されると、手のほか脚にもしびれが表れ、階段が下りにくくなったりする。残尿感、頻尿などが見られることもある。

首を固定し安静保つ

 園生主任教授は、首の骨の病気では患者から症状や経過などを詳しく聞く。さらに、腱(けん)反射の検査などで神経根や脊髄の傷んでいる場所を絞り込んでいく。そして、レントゲンやMRIなど画像検査で確認する。

 「画像検査で頸椎の異常が見つかっても症状が出ないことや、その逆もあるため、十分な問診や診察が欠かせません」(園生主任教授)。手首の神経が圧迫されて起こる手根管症候群などのように、頸椎症以外にも手のしびれが症状として表れる病気があるので、それらと区別しなければならない。

 治療は神経根症の場合は、首を固定する頸椎カラーを着けるなど安静にして回復するのを待つ。痛みが強い場合は、消炎鎮痛薬などが使われる。一方、脊髄症の場合は自然治癒は難しく、病状が悪化するような場合は手術が必要になる。

 「気になる症状があれば、神経内科や脊椎・脊髄外科など専門の医療機関を受診することを勧めます」と園生主任教授は助言している。

(編集部)

2012年10月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)