2013年09月06日 公開

人間VS機械、心肺蘇生で優れているのは? 欧州研究

研究で使われたLUCAS2自動心臓マッサージシステム<br />(フィジオ社公式サイトより)
研究で使われたLUCAS2自動心臓マッサージシステム
(フィジオ社公式サイトより)

 道端で倒れている人がいて心臓が止まっている場合、ただちに心肺蘇生が必要となる。最近は人工呼吸をせず心臓マッサージ(胸骨圧迫)だけの方が脳機能の回復が良いとの研究結果が報告されている(関連記事)が、では、心臓マッサージを人間が行うのと、機械が行うのとでどちらが優れているのか。スウェーデン・ウプサラ病院のSten Rubertsson氏らが欧州心臓病学会(ESC)の年次集会(8月31日~9月4日、オランダ・アムステルダム)で発表した結果によると、心臓マッサージ機や体外式除細動器(AED)などを製造・販売しているフィジオコントロール社の資金提供による研究だったにもかかわらず、4時間後の生存率に差が認められなかったという。

機械の設定に手間取ったのが原因か

 フィジオ社日本法人の公式サイトでは、今回の研究で使われた同社の心臓マッサージ機「LUCAS自動心臓マッサージシステム」について、人間では難しい、深さとリズムが安定した心臓マッサージが行え、効果的な心肺蘇生をサポートできるとされている。動作の様子は公式サイトの動画で確認可能だ。

 Rubertsson氏らは今回、病院以外で心臓が停止したスウェーデン、オランダ、英国の成人2,589人を対象に、人間が行った場合と、「LUCAS」を使った場合とで、どちらがその後の生存率が優れているかを検討した。方法は、救急隊員が現場に到着した直後から手で心臓マッサージを行い、その後、手でのマッサージを継続するか「LUCAS」に切り替えるか分けられたという。なお、けがによる心臓停止や妊婦、「LUCAS」を装着するのが難しい体型の人などは対象から除外されている。

 その結果、心臓マッサージ開始から4時間後の生存率は「LUCAS」で23.6%、人間で23.7%と、統計学的に意味のある差が認められなかった。その要因としてRubertsson氏は、「LUCAS」の動作の開始が人間が行う場合と比べて遅かったことを挙げ、「LUCAS」の治療手順を調整すれば、今後より明らかな有効性が確認できるのではないかとコメントしている。

 フィジオ社が同日発表したリリースによると、今回の研究で、6カ月後の脳機能などが良好な状態での生存率が「LUCAS」で8.5%と、人間によるマッサージの7.6%を上回っていた。また、生存者のうち、6カ月後の脳機能などが良好な人の割合も「LUCAS」で高かったという(99%、94%)

(編集部)

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