2013年09月30日 公開

子宮頸がんワクチンと慢性疲労症候群の関連なし―英当局

関係指摘する報道受け調査

 英国の医薬品審査当局(MHRA)は9月26日、複数のデータベースを調査した結果、子宮頸(けい)がんワクチン(2価ワクチン、商品名「サーバリックス」)が、原因不明の強い疲労感が長期間続く「慢性疲労症候群」を引き起こすことを示す証拠は見つからなかったと発表した。英国では、子宮頸がんワクチンの接種と慢性疲労症候群の関係を指摘する報道があり、これを受けて専門家らが検討を行っていた。

定期接種の開始前後、接種後と他の時期で比較

 英国では2008年9月、12~18歳の女児を対象にサーバリックスの定期接種を開始し、200万人以上の女児が接種を受けた。2012年10月からは4価ワクチンの「ガーダシル」へ切り替えている。定期接種の開始以降、接種後に慢性疲労症候群と診断された人がいることが報道され、MHRAや英国保健サービス(NHS)など政府関連機関は「調査の結果、同ワクチンの安全性に関する懸念はない」との情報提供を続けてきた。

 今回の調査では、MHRAとNHSが運営するデータベースを使い、定期接種の開始前後で慢性疲労症候群の報告数を比較したほか、接種後と他の時期での慢性疲労症候群にかかった割合などを検討した。

 その結果、いずれの検討でもサーバリックスの接種で慢性疲労症候群になるリスクが上昇することを示す証拠は見つからなかったという。

 研究を行ったMHRAのPhilip Bryan氏は「英国の子宮頸がんワクチンプログラムは、女性を子宮頸がんから守るという観点で最も優れた制度。今回の知見で、このワクチンの安全性が再確認できたのではないか」と述べた。なお、今回の調査結果は、9月1日発行の国際医学誌「Vaccine」(電子版)にも掲載されている。

(編集部)

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