2013年10月28日 公開

インフルワクチンで心臓病も予防できる? リスク4割減

カナダ研究者による解析

 インフルエンザの予防に欠かせないワクチンだが、効果はそれだけではないかもしれない。カナダ・ウイメンズカレッジ病院のJacob A. Udell氏らは、心臓病になる危険性の高い人を対象に調べた研究を解析したところ、インフルエンザワクチンを接種した人では心臓病の発生が36%低かったと、10月23日発行の米医学誌「JAMA」(2013; 310: 1711-1720)に報告した。

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リスク55%減のグループも

 Udell氏らは、1946~2013年8月に報告された論文の中から、心臓病になる危険性が高い人を対象にインフルワクチンについて検討した研究を選び、心臓病に関係する事故(心臓病による死亡、心筋梗塞による入院、不安定狭心症、脳卒中、心不全、緊急の冠動脈再建術)の発生について検討した。

 対象となった研究は6件(未発表1件)で、対象者は計6,735人(平均年齢67歳、女性51.3%)。研究を行った国はアルゼンチン、イラン、オランダ、タイ、南アフリカ、ポーランドだった。

 5件の研究で、心臓病関連事故の発生率はワクチンを接種したグループで2.9%、接種しなかったグループで4.7%。ワクチン接種によって心臓病リスクが36%下がった計算だ。さらに1件の未発表研究を加えて解析しても、心臓病リスクが下がる度合いは変わらなかった。

 また、急性心筋梗塞などの急性冠症候群を1年以内に起こしたことのある人では、ワクチン接種による心臓病リスクが55%まで減った。

 以上の結果から、Udell氏らは「インフルエンザワクチンの接種と心臓病の減少には関連があることが示唆された」と結論。とりわけ、最近に急性冠症候群を起こしたことのある人で効果が大きいとし、「ワクチン接種という低コストで毎年実施でき、安全かつ簡単な"治療法"で心臓病を抑えられることをさらに検証すべき」と締めくくった。

(編集部)

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