2013年12月16日 10:30 公開

薬なしで花粉シーズンを乗り切れる? 舌下免疫療法

日本アレルギー学会で講演

舌下免疫療法の様子。味は甘苦いという<br />
(大久保教授提供)
舌下免疫療法の様子。味は甘苦いという
(大久保教授提供)

 つらい花粉症を薬なしで克服できる―そんな可能性がある治療法に来春、健康保険が適用される見通しだ。この「舌下免疫療法」とはどんな治療法なのか、日本医科大学付属病院(東京都)耳鼻咽喉科・頭頸部(とうけいぶ)外科の大久保公裕教授は、東京都内で開かれた第63回日本アレルギー学会(11月28~30日)で説明。国内の臨床試験の結果から、12歳から受けられること、子供の頃から受けた方が効果が高いこと、さらに2年間続けて治療を受けることで、薬なしで花粉シーズンを乗り切れる可能性が高くなることなどを紹介した。

従来の方法よりも短期間で済む

 舌下免疫療法は、体の中で抗体をつくらせるもと(アレルゲン)の液を染み込ませたパンくずを舌の下に入れ、2分間たってから飲み込むというもの。治療を受けるたびにアレルゲンを徐々に増やしていき、薬がなくても花粉に反応しない体に変えていく。

 現在でもアレルゲンを注射する「皮下免疫療法」(いわゆる減感作療法)が受けられるが、舌下免疫療法は注射による痛みがないことと、より短期間で花粉に反応しない体にできるため、通院期間が短くて済むことが特長だ。

 大久保教授はその効果について、花粉が大量に飛んだ2005年の臨床試験の結果を紹介。プラセボ(偽薬)を使った患者に比べ、舌下免疫療法を受けた患者ではくしゃみなどの鼻の症状が改善したほか、日常生活や社会生活、睡眠などの質も良くなっていたという。

2年間の治療で効果が持続

 また舌下免疫療法は、1回受けただけではシーズンの最後まで効果が続かないと指摘されているが、翌年に追加でもう1回治療を受けたところ、1回だけの患者に比べてシーズン終盤まで鼻詰まりが改善、花粉の飛散量がピークの時でも症状が出ることが少なかったと説明した。

 大久保教授は「ハウスダストやダニといった多くのアレルゲンに反応する患者には皮下免疫療法、スギ花粉のみの患者には舌下免疫療法と、状態に合わせて選ぶことなどが重要だ」と述べている。

(編集部)

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