2014年01月20日 公開

40歳未満で帯状疱疹にかかると脳卒中になりやすい―英研究

心筋梗塞や一過性脳虚血発作も

 英ロンドン大学(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)医学部のJudith Breuer氏らは、10万人を超える帯状疱疹(ほうしん)患者を対象に研究を行った結果、40歳未満で発症した人では脳卒中や一過性脳虚血発作(TIA)、心筋梗塞になりやすいことが分かったと、1月2日発行の米医学誌「Neurology」(電子版)に発表した。

リスクは患者でない人の1.7倍

 帯状疱疹は、水ぼうそう(水痘)と同じ水痘帯状疱疹ウイルスが原因。水ぼうそうが治ってもウイルスは神経の中に隠れており、疲れやストレス、加齢、刺激などで免疫力が下がると再び活性化する。このときに発症するのが帯状疱疹だ。

 近年、VZVと脳血管障害との関連を示唆する複数の報告がある。そこでBreuer氏らは、18歳以上の英国成人を含む大規模コホート研究で、帯状疱疹と脳血管障害(脳卒中およびTIA)および心筋梗塞との関連を検討した。

 Breuer氏らは、英国のデータベース(THIN)から18歳以上の帯状疱疹患者10万6,601人と、年齢や性別などを一致させた帯状疱疹にかかったことのない21万3,202人(対照グループ)を選び出し、最長で24年間(中央値6.3年)の追跡調査を行った。

 BMI(肥満指数)30超、喫煙、高コレステロール、高血圧、糖尿病など心血管病の危険因子の影響を除外して検討した結果、帯状疱疹グループは心筋梗塞になるリスクが対照グループの1.10倍、一過性脳虚血発作になるリスクが1.15倍だったが、脳卒中リスクは増加していなかった。

 しかし、帯状疱疹を発症した時の年齢を40歳未満に限定すると、対照群に比べて脳卒中になるリスクが1.74倍に上昇。心筋梗塞と一過性脳虚血発作のリスクもそれぞれ1.49倍、2.42倍とさらに上がった。

ワクチンで予防を

 以上のことから、Breuer氏らは「帯状疱疹は、40歳未満で発症した英国人において脳卒中、一過性脳虚血発作、心筋梗塞の危険因子であることが示された」と結論。40歳以上の患者ではその他の危険因子に対する検査や治療の状況が良かったことから、この年齢層を含めると脳卒中リスクが低くなったことに関与しているかもしれないとし、若い帯状疱疹患者も心血管病に関する検査を受けるべきと指摘した。

 さらに、「予防接種で帯状疱疹の発症率だけでなく、発症した際の重症度が大幅に低下することが示されている」と説明。「今後の研究で、予防接種によって脳卒中、一過性脳虚血発作、心筋梗塞などの発症率も下がるかどうかを評価する必要がある。現在は60歳以上への接種が推奨されているが、心血管病になる危険性が高い若者に対する接種についても検討する必要がある」としている。

 なお、予防接種で使われるワクチンは水ぼうそうと同じ水痘ワクチンで、日本でも50歳以上になると受けることができる。ただし任意接種のため費用は全額自己負担となる(1万円程度)。

(編集部)

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