2014年03月03日 公開

若い女性に多い「慢性疲労症候群」―突然疲れやだるさ襲う

微熱や喉の痛み、頭痛も

 ある日突然、座っているのさえつらいほどの疲れに襲われる。微熱や頭痛が続き、朝起きることもできなくなる。20~40歳代の女性を襲うことが多い慢性疲労症候群(CFS)について、大阪市立大学医学部附属病院疲労クリニカルセンターの山口浩二医師に聞いた。

ウイルス感染が原因?

 風邪と思って病院に行くが、微熱や喉の痛みは治まらない。検査をしても疲労や筋肉痛の原因が見つからない。疲れているのに眠れず、次第に朝起きることができなくなり、会社を休む―。CFSでよく見られるケースだ。

 「職場に迷惑をかけるからと休職するのですが、復職しても欠勤を繰り返し、退職せざるを得ないということもあります」(山口医師)

 1984年に米国で集団発生のあったCFSは、日本では現在約36万人の患者がいると報告されている。原因は分かっていないが、インフルエンザやヘルペスなどのウイルス感染、精神的・肉体的なストレスなどにより、神経・内分泌・免疫系の機能不全を来すことが関係しているのではといわれている。

有酸素運動も指導

 診断ではまず、疲労の原因と考えられる病気がないことを確認する。その上で、疲労感など診断基準となる主な症状があるか、6カ月以上続いているかを調べる。CFSでは、緊張やストレスによって高まる交感神経の働きが見られ、細胞の老廃物である血液中の活性酸素の量も増える。

 治療では、活性酸素を減らすビタミンCや漢方薬を処方し、睡眠導入剤や痛み止めなどによる対症療法を併用する。起床時に横になったままストレッチをする、ラジオ体操をするなど、続けることができる軽い有酸素運動も指導する。

 「CFSの患者さんは、ウイルスなどから体を守る免疫力の鍵となるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性数値が下がっているので、感染症には弱い。風邪やインフルエンザの予防に手洗いやうがいも大切です」(山口医師)

 該当する症状に悩む人に対して山口医師は、一般内科を受診して疲労の原因となる他の病気が隠れていないか確認した上で、専門医を受診することを勧めている。

(編集部)

2013年1月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)