2014年03月04日 公開

離乳食の開始は遅らせた方がアレルギーになりにくい?

 最近出産しました。離乳食をいつ始めるべきか、いろいろな情報があふれていて困っているのですが、その中でも気になったのが、離乳食の開始を遅らせた方がアレルギーになりにくいということ。これは本当でしょうか。また、いつ頃から始めればアレルギーになりにくいんでしょうか。

ユウコ(20代女性)

離乳食の開始を遅らせた方がアレルギーになりにくいということはありません。

 かつて、アレルギーの病気を心配するあまり、予防を目的として離乳食を遅らせた方が良いと考えられてきましたが、その根拠はなく、むしろ離乳食を遅らせることは問題があるということが近年の研究によって分かりました。

 海外の研究では、離乳食の開始が遅いほど2歳時のアトピー性皮膚炎や乳児喘息(ぜんそく)が多いことが明らかになっています。米国小児科学会は、2008年版のガイドライン(指針)で、離乳食の導入を遅らせることの問題点を指摘しています。

 赤ちゃんが、異物のタンパク質を食物として受け入れ可能な時期は、予想されていたよりも短く、乳児期のごく限られた期間でした。月齢が上がって免疫が成熟すると、赤ちゃんが食べ物に反応しやすくなり、逆に、食べ物に反応が起きてしまうことも明らかになりました。

 環境省は、子供の病気や健康に環境が与える影響を妊娠段階から調べるため、2011年から「エコチル調査」を開始しています。調査を担当した国立成育医療研究センター(東京都)アレルギー科の大矢幸弘医長は「離乳食を食べさせる時期を遅らせても食物アレルギーの予防効果はない」と発言しています。

 2007年3月に厚生労働省が赤ちゃんの食に関するガイドライン「授乳・離乳の支援ガイド」を発表しています。これによれば、離乳の開始時期は「生後5、6カ月頃が適当」と記載されています。

 離乳食の開始時期や進め方に関して困ったときには、ガイドラインを参考にしたり、主治医に相談したりなさってください。

中野 里美(なかの さとみ)

 1990年、東京女子医科大学卒業後、慶應義塾大学医学部内科学教室に入局。都立広尾病院、国立病院機構栃木病院などを経て、2007年から三菱UFJニコス株式会社診療所勤務。同社において初代統括産業医として、社員の健康管理を行っている。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会専門医、日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント。

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