2014年03月18日 公開

寝言に答えてはいけないって本当?

 弟が寝言を言うので、それに応えて話しかけていたら、親にものすごく怒られました。寝言に応えてはいけないのはなぜですか?

CC(10代女性)

寝言には応えない方がよいでしょう。 

 「寝言に応えると、眠りから目覚めなくなる」「寝言に返事をすると、寝言を言った人が早死にする」という言い伝えを聞いたことがある人は多いと思います。「寝言に応えると魂があの世に行ってしまうから」と、迷信めいた理由を説明された人もいるでしょう。

 睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2種類があります。脳が活動している「レム睡眠」は眠りが浅く、脳が休んでいる「ノンレム睡眠」は深い眠りに落ちている時で、ちょっとやそっとのことでは起きない状態です。

 「レム睡眠」でも「ノンレム睡眠」でも寝言を言いますが、多くの寝言は「レム睡眠」でみられます。睡眠は脳の疲労を取るためにも大切なのですが、寝言と会話をすることで、脳が反応し、眠りが浅くなります。睡眠の質が悪くなり、脳への負担が大きくなってしまうと考えられています。

 寝言に応えたことで、寝言を言った人が目覚めなくなってしまうことはありませんが、睡眠を邪魔しないために、寝言には応えない方がよいでしょう。

 睡眠については、まだまだ謎の部分が多く、睡眠・覚醒のメカニズムは現代神経科学最大のブラックボックスともいわれています。今後の研究によって色々解明されることに期待しています。

中野 里美(なかの さとみ)

 1990年、東京女子医科大学卒業後、慶應義塾大学医学部内科学教室に入局。都立広尾病院、国立病院機構栃木病院などを経て、2007年から三菱UFJニコス株式会社診療所勤務。同社において初代統括産業医として、社員の健康管理を行っている。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会専門医、日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント。