2014年04月10日 公開

新生活に向け通院先や保険証の確認を―神戸大リウマチ教室

 新生活を迎えるに当たって若い関節リウマチ患者が気を付けなければならない点は、定期的な通院と薬の使用を欠かさないことだ。若い人は体力があるので無理をしやすく、ついつい「忙しいから」「今はそれほどつらくないから」と、治療を後回しにしがちだ。2月27日に開催された神戸大学の整形外科リウマチ教室「若いリウマチ患者さんへ:就職や妊娠、育児について」で、同科の三浦靖史准教授は「自分では気づかないうちに症状が進行して関節が傷んでしまう場合があるので、忙しくても通院と薬は必ず継続を」と注意を促した。

欠かさず足を運べる通院先を選んでおこう

 時間に融通の利く学生時代と異なり、就職すると自分の都合だけで時間を取るのが難しくなる。全国規模の企業に勤めると、転勤があったり、研修期間や出張などのために長期間、遠方に滞在しなければならなかったりなど、生活環境が一変する場合もある。

 関節リウマチの治療が安定すると2カ月に1回程度の通院間隔になることが多いが、それでも時間を捻出するのが難しくなる可能性がある。特に、国公立病院のように外来診察が平日(月~金曜日)の日中に限られると、勤務時間との兼ね合いで足が遠のく人も少なくない。

 「関節リウマチをコントロールしていく上で、定期的な通院や治療は不可欠。就職などによって生活環境が変化する際には、どの通院先であれば自分にとって通いやすいのか、欠かさず治療を続けられるのかを考えておくことがとても重要なポイントとなります。現在の通院先で継続するのか、あるいは通いやすい通院先を探しておくのか考える必要があります」と三浦准教授は言う。

 土曜日に通院を希望する場合は、少し注意が必要だ。病院では、土曜日は交代制の勤務や外部からの非常勤医が受け持つことも多いので、通院のたびに診察する医師が変わってしまう可能性がある。医師によって治療方針が微妙に異なることがあり、常に自分の病状を把握してもらうのが難しくなる恐れがあるのだ。

 その点では、リウマチ専門の診療所ならば、いつも同じ医師に診てもらえるというメリットが大きい。平日の夜や土曜日の午前中も診療しているところがあるので、通いやすい診療所があるかどうか探してみるのもよいという。

加入する健保によって自己負担額が変わることも

 就職先の健康保険組合に加入して保険証が切り替わると、治療費の自己負担額が変わるケースがあることも要注意。就職先の健保組合によっては付加給付の有無など異なる点も多いので、被扶養者として親の健保に加入していた頃と自己負担額が変わってしまう、なんていうことも少なくない。

 大きく変わる生活環境の中で、関節リウマチ治療にかかる通院費や自己負担額などについても、どう変わるのか、どう対応するのか、できる範囲でシミュレーションしておくことが大切としている。

(長谷川 愛子)

神戸大学 整形外科リウマチ教室
 神戸大学整形外科では、関節リウマチ患者が自分の病気についての理解を深め、より良い療養生活を営めるアドバイスを伝える目的で、2003年から毎月1回、同大学病院で患者教室を開講している。同院に通う人だけでなく、他の医療機関や診療科で治療を受けている関節リウマチ患者、患者の家族、医療関係者など、関節リウマチに関心を寄せる全ての人に門戸を広げている。

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