2014年04月11日 公開

リウマチ患者が妊娠を決めたら―神戸大リウマチ教室

 晩婚化に伴って、初産の平均年齢も上がっている。以前は出産を機会に関節リウマチを発症する人が多かったのに対して、近年は妊娠を希望する時期に発症する患者が増えているという。2月27日に開催された神戸大学の整形外科リウマチ教室「若いリウマチ患者さんへ:就職や妊娠、育児について」では、関節リウマチ患者が妊娠を決めたらどうすればよいのかを、同科の三浦靖史准教授がアドバイスした。

病状が落ち着いてからの妊娠が理想的

 関節リウマチを発症したばかりなどの症状が強い時期は、一般に妊娠しづらいといわれている。その理由として、三浦准教授は「関節リウマチの炎症に関わる物質が着床を抑えると考えられているが、病気のときに妊娠するのは、母体にも胎児にも危険なことなので、病気のときに妊娠しづらいのは自然の摂理といえるでしょう。そのため、まずは強力な治療を一定期間行って寛解(病状が落ち着くこと)してから、妊娠に向けて薬を減らしていくのが理想的です」と説明する。

 とはいえ、30歳代後半以降の人の場合、治療を優先するだけの十分な時間の余裕がない。一方、治療を制限すると関節リウマチを悪化させて関節破壊を進めてしまう危険性もある。「妊娠したい! と決意したら、まずは主治医に相談して、妊娠に向けて薬を制限しても問題ないかどうかを検討する必要がある」と三浦准教授は助言した。

妊娠可能かをカップルで確認を

 それと同時に、そもそも妊娠できるのかをチェックしておくことが重要だ。最近は不妊に悩む人が増えており、男女ともに健康でも10組に1組のカップルが不妊に悩んでいるといわれている。「まずは産婦人科の中でも不妊治療に取り組む"マタニティークリニック"と言われる医療機関をカップルで受診し、妊娠できるかどうかを確認しておくこと。今は土曜日や日曜日も開院している施設が増えているので、必ず男性もチェックして」と三浦准教授は強調した。

 カップルの双方に問題がなければ、あらためて妊娠や出産、その後の育児が関節リウマチに与える影響をパートナーも同席して主治医から説明を聞き、自然受胎や不妊治療での妊娠に備えた治療方法に切り替えていく。

 三浦准教授は「自然受胎であっても不妊治療であっても、基本的に治療方針は同じ。治療を制限する期間が長引くと再燃してしまう危険性も高くなることも考えられるので、治療を制限する前に、まずは妊娠できるのかどうか、妊娠しづらい場合には不妊治療をどう進めていくのかなど、産婦人科医も含めて話し合いながら進めていく必要があります」とした。

(長谷川 愛子)

神戸大学 整形外科リウマチ教室
 神戸大学整形外科では、関節リウマチ患者が自分の病気についての理解を深め、より良い療養生活を営めるアドバイスを伝える目的で、2003年から毎月1回、同大学病院で患者教室を開講している。同院に通う人だけでなく、他の医療機関や診療科で治療を受けている関節リウマチ患者、患者の家族、医療関係者など、関節リウマチに関心を寄せる全ての人に門戸を広げている。

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