2014年04月25日 公開

コレステロールにも"物言い"―人間ドック学会の基準

動脈硬化学会が適切な対応求める

 検査の基準値を見直したことで、日本高血圧学会から懸念の声明を出された日本人間ドック学会だが、コレステロールなどについて日本動脈硬化学会からも"物言い"がついた。動脈硬化学会は4月23日、人間ドック学会の基準値について「国民の健康に悪影響を及ぼしかねない」とする声明を発表。誤解を与えないよう適切な対応を求めた。

「病気の予防に重大な行き違いが出る」

 人間ドック学会の新基準では、収縮期(最大)血圧を147mmHg以下、拡張期(最小)血圧を94以下を"基準範囲"とした。しかし、これは高血圧学会が定める正常値(それぞれ130未満、85未満)と大きく違うため、高血圧学会は懸念を示す声明を発表した(関連記事)。

 動脈硬化学会の声明はこれに続くもの。同学会も"物言い"をつけたのは、血圧だけでなく、動脈硬化や心臓病、糖尿病などにつながる脂質の検査値も"緩和"していたからだ。

 新基準の"基準範囲"は、中性脂肪が男性で血液1デシリットル当たり39~198ミリグラム、女性で32~134、悪玉のLDLコレステロールが男性で72~178、31~45歳の女性で61~152、46~65歳の女性で73~183、66~80歳の女性で84~190などとされた。

 一方で、動脈硬化学会が定める大人の正常値は男女や年齢を問わず、中性脂肪が149以下、LDLコレステロールが119以下と、最大で80以上の差がある。

 動脈硬化学会は23日の声明で、人間ドック学会の"基準範囲"では、女性よりも心臓病になる危険性が高い男性で基準値が上がることになるなどとし、動脈硬化に関連した病気を予防する上で重大な行き違いが出ることになると主張した。

「超健康な人」の定義に批判も

 また、人間ドック学会が示した「超健康な人(スーパーノーマル)」については、症状は出ていないものの動脈硬化を持っている人が混ざっている可能性を指摘。限られた検査項目を一側面から解析したことを問題視した。

 さらに、健診を受けた人を追跡調査したデータがなく、そうした値を健康の行方に関わる基準値に設定すること自体に「本質的な問題がある」と批判的な見方を示している。

 その上で、人間ドック学会に対し「日本国民の健康に悪影響を及ぼしかねない危険なものであり、一般社会や医療界に誤解を与えないよう、健診の本来の目的に沿って直ちに適切な対応をお願いしたい」との言葉で声明を結んでいる。

(編集部)

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