2014年05月08日 公開

自宅でできる簡易検査で早期発見、睡眠時無呼吸症候群

装着して寝るだけ

簡易検査装置の一例<br />
(フィリップス・レスピロニクス公式サイトより)
簡易検査装置の一例
(フィリップス・レスピロニクス公式サイトより)

 いびきや昼間の眠気だけでなく、脳卒中や心臓病などを引き起こす恐れのある睡眠時無呼吸症候群。眠っている間に一定時間、呼吸が止まる睡眠障害だが、本人が眠っているだけに発見が遅れることもしばしば。しかし、睡眠ポリグラフ検査には入院が必要で、家族に指摘されても検査を受けない、という人も少なくない。そこで便利なのが、自宅でできる簡易検査だ。日本睡眠総合検診協会(東京都)の末永和栄代表理事(睡眠検査技師)は「簡易検査だけでも診断が可能で、早期治療につながります」と、睡眠時無呼吸症候群の疑いがある人に勧めている。

死亡事故の危険性高まる

 「SAS」とも呼ばれる睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸の停止や低呼吸(きちんと呼吸ができていない状態)がたびたび見られる睡眠障害。医学的には、10秒以上続く呼吸停止や低呼吸が、一晩の睡眠中(7時間)に30回以上、または1時間に平均5回以上あった場合と定義されている。

 呼吸が止まることで心臓に負担がかかり、高血圧や糖尿病になりやすくなり、さらには心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす恐れがある。また、日中の眠気が強くなるため仕事に支障を来すことがあり、自動車や電車などを運転する場合は死亡事故を起こす危険性が高まる。

 なお、気道が狭くなって発生する「閉塞(へいそく)性」、脳機能などに障害がある場合に起こる「中枢性」、両者が合わさった「混合性」に分けられ、閉塞性睡眠時無呼吸症候群は太っている人や顎が小さい人で多いといわれている。

晩酌後に検査も

 こうした恐ろしい病気なのだが、自覚することはまれ。また、睡眠ポリグラフ検査は実施できる医療機関が限られていたり、一晩入院する必要があったりなど、家族ら同居者に指摘されても検査を受けるのをためらう人は少なくない。

 そこで普及し始めているのが、自宅で使える小型の簡易検査装置だ。検査は簡単で、鼻、胸、指にセンサーの付いた器具などを装着して寝るだけ。飲酒習慣のある人は、晩酌してから検査をすることもできる。呼吸、イビキ、酸素に結合したヘモグロビンの占める割合を示す動脈血酸素飽和度(SpO2)などが計測され、睡眠中の呼吸の状態が分かる。

 末永代表理事は「簡易検査だけでも診断が可能で、早期治療につながります。大きないびきや、昼間に強い眠気がある人には、一度診察を受けることを勧めます」と助言する。

 受診先は睡眠時無呼吸症候群に詳しい医師がいる耳鼻咽喉科、呼吸器内科、精神科など。簡易装置による検査は、健康保険の対象となる。同協会が提携病院から連絡を受けて患者に検査装置を送り、検査後に返却する。

 同協会ではコールセンター=フリーダイヤル(0120)318903=を設置しており、近隣の睡眠医療機関を紹介してくれる。電子メール(info@suiminken.or.jp)での申し込みも可能だ。その他の睡眠障害にも対応しているので、詳細は同協会公式サイトを参照。

(編集部)

2013年4月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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