2014年05月27日 公開

"緑茶うがい"のインフル予防効果、水道水と変わらず

高校生800人で検証―静岡県立大

 インフルエンザや風邪などの予防によいといわれている緑茶でのうがいだが、水道水でのうがいと比べて効果が変わらないとする研究結果が、5月16日発行の米科学誌「PLoS One」(2014; 9: e96373)に発表された。報告した静岡県立大学薬学部の山田浩教授らは、高校生800人で検討した結果、"緑茶うがい"の方がインフルエンザを予防する傾向がみられたものの、統計学的に意味のある差ではなかったという。山田教授らは、2011年にも緑茶とインフルエンザに関する研究を発表している(関連記事:1日1~5杯の緑茶で小学生のインフルエンザが40~50%減)。

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1日3回のうがいを90日間実施

 感染症だけでなく、ダイエットやコレステロール、認知機能、骨密度などに良い効果をもたらすと報告されている緑茶だが(関連記事:緑茶をたくさん飲むほど高齢者の要介護リスクが低下、関連記事:緑茶が脂質値を改善、「悪玉」減らし「善玉」増やす)、インフルエンザの予防効果には疑問符が付いた。

 山田教授らは、静岡県内にある6つの高校の生徒を登録。半年以内にインフルエンザや免疫疾患、心臓病にかかった人、呼吸器・腎臓・肝臓に異常がある人を除いた757人(15~17歳)を、緑茶でうがいするグループ(ボトル入り緑茶を使用)と水道水でうがいするグループに、ランダムに分けた。

 うがいをしたのは、2011年12月1日~2012年2月28日の90日間、1日3回(登校後、昼食後、放課後)。水道水うがいグループには緑茶うがいを禁止したが、緑茶や他の茶類を飲むことは自由とした。

感染率25%減、発症率31%減だが...

 その結果、緑茶グループで19人(4.9%)、水道水グループで25人(6.9%)がインフルエンザを発症。さまざまな要因を加味して計算したところ、緑茶グループでインフルエンザウイルスへの感染率が25%減、インフルエンザの発症率が31%減だったが、統計学的に意味のある差は認められなかった。つまり、統計学的には、緑茶でうがいしても水道水でうがいしても予防効果は変わらないということになる。

 これは、1日3回のうがいを期間中に75%以上守った生徒だけで検討しても、同じだったという。

うがい回数守った生徒は7割止まり

 山田教授らは以前、老人ホームの入居者を対象にした研究で、茶カテキン抽出物を使った1日3回のうがいによるインフルエンザ予防効果を確認している。

 今回の研究で同じ結果が得られなかった原因について山田教授は、1日3回のうがいをきちんと行わなかった生徒が約3割(緑茶グループ26%、水道水グループ33%)に上ったことを挙げ、「1日3回のうがいをきちんと守る生徒の割合が上がれば、統計学的に意味のある差が認められた可能性はある」と指摘。また、1日3回のうがいは、感染する機会が多い高校生では不十分だったかもしれないとしている。

 山田教授は小社の取材に対し、「統計学的に意味のある差が見いだせなかったことでやや落胆しているが、リスクは20~30%の減少傾向が見られている。今後の発展的な大規模臨床試験での成果に期待したい」とのコメントを寄せている。

(編集部)

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