2014年10月20日 06:00 公開

最近注目のアンチエイジングミネラル「シリカ」って何?

“ミネラル博士”に聞く

 人間の体をつくるのに不可欠なミネラル。カルシウムや鉄、亜鉛などが有名だが、その中でも最近、ケイ素(二酸化ケイ素=シリカ)がアンチエイジング効果を期待できるとして注目されている。シリカが体にどんな役割を果たし、どんな食べ物から摂取できるのかなどについて、"ミネラル博士"こと元東京農業大学客員教授で兵庫県立農業大学校の渡辺和彦氏に聞いた。

骨、皮膚、血管...体に不可欠のミネラル

 シリカは人間を含む生物の成長に不可欠なミネラルで、骨や軟骨、皮膚(真皮)、靱帯(じんたい)や腱(けん)などを形作るコラーゲン、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸などのムコ多糖類に多く含まれている。

 渡辺氏は、皮膚のたるみやシワ、爪が弱くなる、関節が動かしにくくなるなどの加齢現象には、コラーゲンやムコ多糖類の減少が大きく関わっており、その背景にシリカ不足がある可能性を指摘する。

 「シリカが"アンチエイジングミネラル"といわれるのは、年齢とともに減っていくコラーゲンやムコ多糖類の合成や結合を強める働きがあるからです。そのほか、シリカは動脈硬化症との関係も知られていますが、最近では、血圧低下作用や抗糖尿病作用も動物実験で報告されています。今後の研究にも注目したいミネラルです」(渡辺氏)。

日本人はコメから摂取

 2004年に米国で行われた研究(フラミンガム・オフスプリング研究)では、食事からシリカを取る量が多い人ほど大腿(だいたい)骨頸(けい)部の骨密度が高いことが分かった(閉経後の女性は除く)。大腿骨頸部は脚の付け根にある骨で、ここが折れると立ち上がったり歩いたりできなくなることが多い。高齢者では寝たきりの原因にもなる。その部分の骨の強さが、シリカを多く取っている人たち(1日40ミリグラム以上)で、少ない人たち(同14ミリグラム未満)よりも約10%高かったのだ。ちなみに、男性では主にビールとバナナ、女性ではバナナとサヤインゲンからシリカを摂取していたという。

 シリカの摂取に関わる食品を調査した研究では、 シリカの吸収されやすさが食品によって異なることも示された()。体内に吸収されたシリカは6時間で尿となって排泄される。そのため、食品に含まれている量に対して尿の中に出されたシリカの量が多いほど、その食品に含まれるシリカは吸収されやすいということになる。

 「注目したいのは玄米と白米です。バナナはシリカを含んでいる量が多いものの吸収率が悪いのに対し、玄米や白米、シリカを多く含むミネラルウオーターなどはシリカの吸収率が良いのです。おそらく、日本人はコメから効率良くシリカを摂取してきたと考えられます。しかし、日本人のコメ消費量は、近年、急減しており、シリカ不足に陥っているのは間違いなさそうです」(渡辺氏)

目安は1日30~50ミリグラム

 それでは、普段の食事でシリカをどれくらい取ったらよいのだろうか。

 「今のところ日本人のシリカの摂取推奨量などは定められていませんが、1日30~50ミリグラム程度が望ましいでしょう」と渡辺氏。しかし、シリカの含有量は玄米1合(150グラム)に7ミリグラム、白米1合では0.7ミリグラムと、コメだけでは目安に届かない。大豆(100グラムに1.1ミリグラム)、干しヒジキ(同9.9ミリグラム)、生ワカメ(同1.9ミリグラム)などで補う伝統的な日本型食生活が勧められるという。

 また、渡辺氏は「お酒が好きな人にはビールとワインもオススメです。ビール100ミリリットルには2.07ミリグラム、ワイン100ミリリットルには0.6~1ミリグラムのシリカが含まれています。シリカは取ってから6時間で排泄されるので、取り過ぎる心配はありません」と説明する。

シリカを含んだミネラルウオーターも

 コメ離れがシリカ不足の一因とはいえ、最近は糖質制限食などのコメやパンなどを取らないダイエットも流行している。そんな糖質やカロリーが気になる人にはシリカの含有量が多いミネラルウオーターも選択肢の一つ()。シリカ不足が気になる人は試してみるとよいかもしれない。

(編集部)

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