2015年01月22日 公開

クロレラ広告「誇張限度大きく超える」―京都地裁

販売会社に差し止め命令

 京都地裁は1月21日、健康食品「クロレラ」の広告について、医薬品のような効能があると表示するのは景品表示法(不当景品類および不当表示防止法)に違反するとして、販売会社「サン・クロレラ販売」(京都市)に対し、表示と広告配布の差し止めを命じた。橋詰均裁判長は「広告として許容される誇張の限度を大きく超える」と指摘。一方、同社は代理人を通じて高裁に控訴する方針を示したほか、日本クロレラ療法研究会は公式サイトに声明文を掲載している。

改善効果を体験談で表示

 訴えを起こしたのは、京都市のNPO法人「京都消費者契約ネットワーク」。同団体によると、健康食品に関する広告の差し止めを命じる判決は、全国で初めてという。

 訴状によると、同社と所在地が同じ「日本クロレラ療法研究会」が、植物成分のクロレラ(淡水に生息する緑藻の一種)には高血圧や肺気腫などを予防する効果があり、がんや糖尿病が改善したなどと効能をアピールする体験談を掲載した新聞の折り込み広告を定期的に配布。原告側は、クロレラが医薬品と誤認させる恐れがあるとしていた。

 一方、同社側は「研究会と会社は別」「商品名は表示しておらず、クロレラなどの効用を紹介しただけ」と反論(参考:提訴に関する報道を受けて)。内容についても「これまでの研究発表や体験談に基づいている」としていた。なお、クロレラが高血圧などに効果があったとする研究結果もあるが、国立健康・栄養研究所は「ヒトでの有効性については信頼できるデータが見当たらない」としている。

「研究会=会社」「広告=販促目的」

 判決では、研究会が会社から独立した存在でなく、広告も販売促進が目的と認められると指摘。体験談についても病気の予防・治療効果を暗示しており、景品表示法の「優良誤認」に当たると判断し、同社に表示と広告配布の差し止めを命じた。

 この判決に対して同社の代理人弁護士は「極めて不当」とし、大阪高裁に控訴する方針。日本クロレラ療法研究会は公式サイトで、以下の声明文を掲載してる(原文ママ)。

〈日本クロレラ療法研究会は、我が国の最も基本となる方針であるところの日本国憲法で保障されている国民の基本的人権、言論・出版の自由をはじめとする表現の自由、生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利すなわち国民の知る権利を基盤とした活動を44年間という長きにわたり行って参りました。

 当研究会が展開するクロレラ、エゾウコギをはじめ薬効を有する素材の啓蒙活動は、真実に基づく飲用事例や科学的検証の成果を広く一般の方々へ情報を発信するものであります。したがって、昨今世間を騒がせている研究データねつ造等の不正行為とは全く相容れない次元のものであることは自明のことと認識しております。

 真実を述べ、真実を伝えることで罰せられるような不可解な件について、当研究会は厚生省や当局と薬事法に関わる論争を繰り広げてきたが、納得のいく回答は未だ得られておりません。今般の訴訟において景品表示法、消費者契約法違反とされたチラシ差し止めに関しましても、当然のことながら承服できるものではなく、当研究会の正当性を主張し続ける新たな決意に至った次第であります。〉

(小島 領平)

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