2015年04月06日 公開

キシリトールの虫歯予防効果、証明できず―国際NPOが評価

 虫歯の原因になりにくいだけでなく、虫歯を予防することが期待されている甘味料のキシリトール。しかし、国際NPO「コクラン共同計画」の研究グループは、これまでに発表された研究結果をまとめて評価したところ、「キシリトールの虫歯予防効果を示す明らかなエビデンス(根拠となる研究結果)はなかった」と、3月26日発行の同団体機関誌「コクラン・ライブラリー」(2015; 3: CD010743)に発表した。

子供では歯磨粉で虫歯を13%抑えたが...

 キシリトールの効果は日本でも注目されており、キシリトールを含むガムなどで「虫歯の原因になりにくい」「歯を健康で丈夫に保つ」との特定保健用食品(トクホ)の表示が許可されている。しかし、今回の研究グループは「キシリトールには虫歯を予防する効果があると考えられ、さまざまな製品に添加されてきた。しかし、その有効性を示すエビデンスは明らかでなかった」と説明している。

 研究グループは、1991~2014年に報告されたキシリトールによる虫歯予防効果を検討した研究(ランダム化比較試験)10件、計5,903人分のデータを評価した。しかし、ほとんどの研究は何らかの偏りがある可能性が高い、つまり研究の質が低いと判定された。

 評価の結果、キシリトールを含む製品(歯磨粉、ガム、シロップ、菓子、歯磨きシートなど)の虫歯予防効果は、乳児と大人に対してはエビデンスが示されなかった。

 一方、4,216人の子供が対象の研究では、キシリトール10%+フッ素配合の歯磨き粉を2.5~3年間使ったところ、フッ素のみ配合の歯磨粉よりも虫歯が13%抑えられていた。ただし、この研究結果も偏りがある可能性が高く、研究グループは「質の低いエビデンス」と評価している。

「ガムのエビデンスないことに驚き」

 主任研究者で英マンチェスター大学歯学部のフィリップ・ライリー氏は、今回の評価から「子供の結果も含め、キシリトールの虫歯予防効果に結論が出せるようなエビデンスはなかった」とコメント。また「特にキシリトールを含むガムのエビデンスがなかったことに驚いた」と付け加えた。

 米国歯科医師会は、今回の評価を3月27日の公式ニュースで取り上げた。その記事では「歯科医は虫歯を減らす目的でキシリトールを含む製品を勧める前に、エビデンスが示す限度を考慮すべき」と述べている。

(編集部)

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