2015年05月19日 公開

いつも履いている靴、きちんと足を守れている?

神戸大学リウマチ患者教室

 靴の役割は、足を守りサポートすること。しかし、窮屈な靴を我慢して履いていると、かえって足を傷つけたり外反母趾などの変形を招く恐れがある。特に、関節が壊れる病気である関節リウマチの患者では、体重がかかる足に痛みを感じたり変形が起こりやすかったりするので、靴の選び方がとても大切だ。4月30日に神戸大学整形外科で開催されたリウマチ教室「靴型装具について」(司会=同科・三浦靖史准教授)では、澤村義肢製作所(神戸市)の義肢装具士・岡田佳奈氏が、正しい靴の選び方について詳しく解説した。

爪先に1センチ程度のゆとりを

 体重がかかる足の関節では、関節の変形が起こりやすい。変形が目に見えて起きていなくても、「たこやうおのめができて痛む」といった悩みを抱える関節リウマチ患者は多い。そうした悩みを減らすためにもまず、普段履いている靴を正しく選ぶことが大切だ。市販の靴であっても正しく選んで履くことで、靴による圧迫や擦れによるトラブルを防ぐことができる。 

 「まずは今履いている靴をチェックしてみましょう」―そう岡田氏が紹介した正しい靴かどうかのチェックポイントは以下の通り。

1. 大き過ぎたり小さ過ぎたりする靴を履いていませんか? 靴の中で指を動かせますか?
...爪先に1センチ程度のゆとりがあり、足の指を自由に動かせるサイズを選びましょう

2. 足の幅と靴の幅は合っていますか?
...足の親指から小指の幅と合うもので、窮屈だったり圧迫されたりしないものを選びましょう

3. ひもやマジックテープなどで足の甲をしっかりと締められますか?
...足の甲をしっかり固定できる靴を選びましょう

4. かかとの芯はしっかりしていますか? かかとを踏んで履いていませんか?
...かかとがしっかり固定できるよう、かかと部分にしっかりした芯が入っている靴を選びましょう

5. ヒールの高い靴を履いていませんか? かかとがすり減ったままにしていませんか?
...体重を支えるバランスが不安定にならないよう、靴底の接地面が広く安定したものを選びましょう

6. 踏み返しの時、足の指の付け根だけが曲がる靴ですか?
...足の指の付け根だけが曲がることが歩きやすい靴のポイントです

 ヒールが高い靴は指の付け根に体重がかかるため、たこができたり外反母趾(ぼし)などの変形が起こったりしやすくなってしまう。できる限り、ヒールの低い靴を選ぶ方がよい。それでも、女性はヒールの高い靴を履かなければならないこともあるだろう。そんな場合について、岡田氏は「ヒールが高い靴を履くときには、足の甲の部分にストラップが付いていて足が前へずれないようなものを選びましょう。地面との接地面積の広いウエッジソールがオススメです」と助言した。

"爪先トントン"はNG

 正しい靴を選ぶのとともに大切なのは、靴の正しい履き方だ。靴のかかと部分に足のかかとをしっかり合わせ、足が靴の中で前方にずり動かないようにひもやマジックテープでしっかりと留めるのがポイントだ。「毎回、履くときにひもを締めるようにしてください。靴に足を入れて爪先をトントンと床に打ち付けて履くのはNG」という。

 このように岡田氏は「まずは正しい靴の選び方、履き方で足を守りましょう」と呼びかけた。

(長谷川 愛子)

神戸大学整形外科リウマチ教室
 神戸大学整形外科では、関節リウマチ患者が自分の病気についての理解を深め、より良い療養生活を営めるアドバイスを伝える目的で、2003年から毎月1回、同大学病院で患者教室を開講している。同院に通う人だけでなく、他の医療機関や診療科で治療を受けている関節リウマチ患者、患者の家族、医療関係者など、関節リウマチに関心を寄せる全ての人に門戸を広げている。

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