2015年05月20日 公開

ご存じですか? 足の悩みに合わせて作る靴型装具

神戸大学リウマチ患者教室

 関節リウマチなどの関節が壊れる病気を抱えている場合、正しい靴の選び方、履き方で足の悩みが改善できず、市販の靴では対応できなくなったり、足の変形が起きてしまうことがある。その際、医師に相談の上で、足底装具や靴型装具といった装具療法を行って足の変形を食い止めることがある。4月30日に神戸大学整形外科で開催されたリウマチ教室「靴型装具について」(司会=同科・三浦靖史准教授)では、澤村義肢製作所(神戸市)の義肢装具士・岡田佳奈氏が、医師の処方箋があれば作ってもらえる足底装具と靴型装具について説明した。

まずは「足底装具」、進行したら「靴型装具」

 関節リウマチによる足の変形が進んでいなくても、たこやうおのめがあって痛む場合には、「足底装具」を使うことがある。足底装具は柔らかい素材(緩衝材)が入った中敷きのことで、足の変形を予防・矯正するだけでなく、足のアーチを支えて体重がかかる負担を分散したり、歩きやすくしたり、たこやうおのめの痛みを軽くしてくれたりしてくれる。普段履いている靴が中敷きを取り外しできるものであれば、入れ替えて使えるので靴型装具よりも経済的だ。

 足の変形が進行して市販の靴が履けなくなった場合に頼れるのが靴型装具。個々の足の形に合わせてオーダーメードで受注するため、それぞれの変形や悩みに応じたものを作れるのが特徴だ。一見、普通の靴だが、その中にはさまざまな工夫が凝らされている。

 例えば、歩くときの踏み返しを楽にするよう足底を転がりやすい形にしたり、足首の関節を固定している人や、変形が強くて靴に足を入れるのが難しい人の場合には、履き口を広くして足を入れやすくしたりすることなどが挙げられる。また、手の関節の変形や痛みでベルトやひもをつかみづらい人の場合には、靴をつかみやすくするためのループを取り付けることもできる。

処方箋が必要!主治医に相談を

 靴型装具はどうすれば製作してもらえるのか。岡田氏は「義肢装具士は、医師の処方の下で装具を製作していますので、まずは主治医に相談してください」と話す。つまり、義肢メーカーや義肢装具士を直接訪れても、処方箋がなくては作ってもらえないのだ。

 処方箋を受けたら、まず、足の型を取ってサイズを計り、透明のプラスチック素材でチェックシューズという仮合わせ用の靴を製作する。チェックシューズの試し履きをして、圧迫される部分がないかどうかを確認し、修正・成形して靴型装具が完成する。「完成して使い始めた後も不具合があれば調整しますし、長期間の使用で起きるかかと部分のすり減りを修理することもできます」(岡田氏)

費用や補助制度は?

 気になる費用だが、中敷きタイプの足底装具は2~3万円前後、靴型装具は13万円前後と安くない。しかし、装具を作る費用を補助してくれる制度がある。

 健康保険を使って作る場合、まずは全額を自分で支払わなくてはならないが、医師の意見書を添えて加入している健康保険組合の窓口に申請すれば、3割負担の人であれば7割分が支給される。身体障害者手帳を持っている人は、自治体の障害福祉課に相談・申請の上、補装具費の支給が決定されてから装具を作製、自己負担金を支払う。

 このほかにも、関節リウマチ患者の場合には、障害者総合支援法による補装具費の給付が受けられる制度がある。これもまずは自治体の障害福祉課に相談し、必要書類を医師(難病医療拠点病院の医師であることなど一定の要件がある)に記入してもらって装具費用の見積とともに申請した後、装具を作製する。支給基準額は13万2,400円なので、費用をほぼカバーできるという。

 岡田氏は「靴型装具の目的は、変形の予防・矯正・進行の防止・痛みの軽減です。最近では、装具としての機能に加えて、使う人それぞれの要望に応じて、デザインにも工夫を施しながら作製しています。装具に関する疑問や悩みは、義肢装具士に相談してください。ただし、適した装具には個人差があるので、医師と十分に話し合って」とアドバイスした。

(長谷川 愛子)

神戸大学整形外科リウマチ教室
 神戸大学整形外科では、関節リウマチ患者が自分の病気についての理解を深め、より良い療養生活を営めるアドバイスを伝える目的で、2003年から毎月1回、同大学病院で患者教室を開講している。同院に通う人だけでなく、他の医療機関や診療科で治療を受けている関節リウマチ患者、患者の家族、医療関係者など、関節リウマチに関心を寄せる全ての人に門戸を広げている。

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