2015年06月24日 公開

ヤケドを簡単キレイに治す「絆創膏型人工皮膚」開発

佐賀大など

 ヤケドなどで広い範囲の皮膚が傷ついた場合、皮膚のバリア機能を回復させるために植皮術などの治療が行われている。しかし、治療できる施設には限りがあり、治療を始めるまでにも時間がかかる。このたび、佐賀大学と農業生物資源研究所(茨城県つくば市)などは共同で、簡単に張り付けられ、キレイに治すことができる「絆創膏(ばんそうこう)型人工皮膚」を開発した。詳細は、6月4日発行の米国科学誌「Wound Repair and Regeneration」(電子版)に掲載されている。

従来の治療法では傷痕も問題に

 ヤケドは、深さ(熱傷深度、Ⅰ~Ⅲ度)と範囲(熱傷面積)によって重症度を判断し、熱傷深度Ⅱ度以上で熱傷面積が20%BSA以上(子供では10%BSA以上)の場合、重症化するとされ、救急センターでの集中治療が必要になる。広い範囲の皮膚が傷つくと、皮膚によるバリアーが失われ、脱水や感染症で生命の危機に陥ることもあるという。

 そのため、治療は皮膚のバリアー機能を回復することが最重要で、正常な別の部分の皮膚を移植する植皮術や、皮膚の一片を培養して植える培養皮膚移植などが行われているが、これらの治療ができる施設には限りがあり、また、バリアー機能を回復するだけでは傷が盛り上がるなど跡(肥厚性瘢痕=ひこうせいはんこん)が残ることが問題になっている。

皮膚再生に最適な環境つくる

 今回の人工皮膚は、農林水産省委託プロジェクトの予算で、佐賀大学医学部の青木茂久准教授と農業生物資源研究所動物生体防御研究ユニットの竹澤俊明・上級研究員が、祐徳薬品工業、関東化学と共同で開発した粘着テープ型の製品。プラスチックパーツと、体になじみやすい高密度コラーゲン線維「アテロコラーゲンビトリゲル膜」から構成されている。

 これを貼ると、患部には皮膚の再生に最適な環境がつくられ、治癒が促進されるという。また、治療中に汚れた部分を交換する時の痛みが少なく、傷痕も残りにくいとされている。

 誰にでも簡単に使え、長期間の保存も可能なことから、青木准教授らは「広範囲の皮膚に傷害を受けた患者さんへの救急医療において、革新的な医療機器になると考える」としている。いち早い製品化が望まれる。

(あなたの健康百科編集部)

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