2015年08月03日 06:00 公開

ドローンで血液などを輸送...可能性を検証―米研究チーム

車での運搬と比較

 健康診断で採取した血液や尿などの検体は、離れたところにある検査施設(ラボ)まで、温度や湿度、振動、衝撃などに配慮しながら迅速に輸送される。この検体輸送が、悪路や検査施設へのアクセスが悪いところでもスムーズにできるよう、ドローン(無人飛行機)で行えるかどうかを、米ジョンズホプキンス大学医学大学院のティモシー・K・アムケレ助教らが検討し、7月29日発行の米科学誌「プロス・ワン」(電子版)に報告した。車で運搬した場合と検体の変化を比べたのだが、その結果は...?

336本の血液検体で検討

 安価な個人向け商品が販売され、一気に身近な存在となったドローン。米ネット通販大手アマゾン・ドット・コムが米国内でドローンによる商品配達の実地調査を開始し、米交流サイト(SNS)大手フェイスブックがネット接続サービスを提供する巨大ドローンを開発するなど、さまざまな用途での活用が期待されている。

 こうしたドローンの用途について、医療の視点から考えたのがアムケレ助教ら。悪路が続いたり、そもそも道がない場所では車での輸送が難しく、検査施設まで遠いと徒歩で運搬することもできない。今回は、こうした場所での検体輸送にドローンを活用することを視野に、ジョンズホプキンス病院の周辺で検証した。

 健康なボランティア56人から6本ずつ、計336本の採血を行い、採血したジョンズホプキンス病院から車で1時間の場所まで検体を運搬、そこから半分の検体をドローン(ドローングループ)、残り半分を車(対照グループ)でそれぞれ再びジョンズホプキンス病院まで輸送した。

 当日の気温は21度、ドローンの飛行高度は100メートル未満。ドローンは、翼が固定されている最も安価で構造が簡単なものを選んだという。なお、ドローンに積んだ血液検体は、飛行による影響を極力受けないよう、厳重に梱包したとしている。

アフリカでの検証も予定

 ドローンと車で33検査項目を比べたところ、飛行による検体への影響は確認されなかった。一部の検体で両群の二酸化炭素の濃度に差が見られたとしているが、ドローンでの運搬によるものなのかは不明という。

Can Drones be Used for the Routine Transport of Laboratory Specimens? from Medical Drones on Vimeo.

 アムケレ助教らは「ドローンは100キロの距離を40分で移動できる。バイクよりも燃料費などが安く、交通渋滞の影響も受けない。GPS(全地球測位システム)で目的地を選んで自動で飛ばすことも可能」と期待を寄せている。今後、医療機関と検査施設が離れた距離にあるアフリカなどでの検証を行うとしている。

(あなたの健康百科編集部)

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