2016年03月09日 06:00 公開

前向きな人はがんで死亡するリスク低い―国がんなど

日本人5万人を調査

 日常生活で問題に直面したとき、解決に向けて前向きに取り組める「対処型」の人は、そのことから逃げようとする「逃避型」の人に比べ、がんで死亡する危険性が低い―そんな調査結果を国立がん研究センターなどの研究グループがまとめ、「Cancer Epidemiology」2月号などに報告した。「対処型」の人の中でも特に、問題に直面しても状況のプラス面を見つけ出そうとする人では、がん死リスクの低下度が大きかったという。

心臓病や脳卒中で死亡するリスクも低い

 研究グループは、日本人10万人を対象にした研究(JPHC Study)の参加者約5万5,000人(50~79歳)に、日常生活で問題が生じたときにどう対処するかについてアンケートを行い、その後8~10年追跡調査。アンケートの結果によって、前向きな行動をとる度合いが高い「対処型」、その問題から逃げる行動をとる度合いが高い「逃避型」などに分けて比較した。

 その結果、対処型・逃避型のどちらにも該当しない人に比べ、対処型の人はがんで死亡する危険性が15%低かった。対処型の中でも「状況のプラス面を見つけ出す努力をする」傾向が強い人では、がん死リスクが16%減と、より下がっていた。さらに、対処型の人の良い点はがん死リスクだけにとどまらず、脳卒中を発症する危険性も15%減、心臓病で死亡する危険性は26%低かったという。

 なお、がんになる危険性では、対処型と逃避型の間に差はなかったが、対処型の人では限局性がん(1カ所のみで他の部位に転移していないがん)の段階で発見される頻度や、検診でがんが発見される頻度が高いことも分かった。

 この調査結果について、研究グループは「日常生活での問題や出来事に対して逃避型の行動をせず、積極的に解決する計画を立てて実行するような対処型の行動をとる人は、がんや心血管病の早期発見・診断の確率が高まる可能性がある」として、普段から「対処型」の行動力を身につけるようにすることが重要だとの見解を示している。

(あなたの健康百科編集部)

関連リンク(外部サイト)