2016年05月06日 公開

肥満でも栄養失調...タンパク質不足に注意!

4月30日放送Eテレ「チョイス@病気になったとき」より

 現代は"飽食の時代"といわれているが、実はその一方で栄養失調になる人が増えていることが、4月30日放送のNHK・Eテレ健康情報番組「チョイス@病気になったとき」で紹介された。それは、タンパク質やビタミンなど特定の栄養素が不足する「隠れ栄養不足」というもの。あなたの体、栄養素は足りていますか?

栄養失調で急性腎盂腎炎に

 食事が足りないことで体がガリガリに痩せ細ってしまう...栄養失調にはそんなイメージがあるが、現代の栄養失調は全く違っているという。番組では、65歳以上の4人に1人は栄養失調だという調査結果を紹介。一見、健康そうな人も危ないとした。

 番組で紹介された主婦の渡邊静枝さんの場合、昨年暮れに突然、悪寒や食欲不振など体調不良を覚えて総合病院を訪ねたところ、左の腎臓が細菌感染による炎症を起こして大きく腫れ上がり、放っておくと死に至る「急性腎盂(う)腎炎」と診断された。その原因は栄養失調だったそうだ。

 渡邊さんは身長154センチ、体重75キロで、肥満度を示すBMI値は31.6(25以上で肥満)と、従来の栄養失調のイメージとは程遠い体型で、食事も1日3食しっかり食べていた。しかし、入院中に血液検査をしたところ、タンパク質から作られる「アルブミン」の数値が2.8g/dLと基準値(3.8~5.3g/dL)を大きく下回っていた。

 アルブミンは免疫細胞の材料となる成分で、筋肉や血管を作る際にも使われる。不足すると、骨折のリスクや脳出血のリスクが高まるほか、感染症にかかるリスクも高くなるという。腎盂腎炎を引き起こした細菌感染も、アルブミン不足が原因とされている。実は渡邊さん、肉があまり好きではなく、知らず知らずのうちに避けていたのだ。

毎日10品目を食べて予防

 番組に登場した人間総合科学大学人間科学部(さいたま市)の熊谷修教授は、一見、栄養失調には見えないのにタンパク質などの栄養素が不足している「隠れ栄養失調」が、幅広い年齢層で増えていると話した。特に女性は、体型と栄養状態は関係しない傾向にあると警鐘を鳴らした。

 アルブミン値を上げる方法は、肉などタンパク質を豊富に含む食品を食べること。熊谷教授によると、脂肪分が多い牛肉が一番だそうだが、鶏肉であればささ身よりモモ肉やムネ肉の方が良く、もちろん豚肉も良いという。

 また、タンパク質の1日の摂取量の目安は50~60歳の男性は70グラム、女性は60グラム。牛肉なら300グラムが必要なのだが、成人男性でも毎日それだけの量を食べるのは難しいもの。そこで、無理せずタンパク質を取るには、「10食品群チェックシート」を使うといいと熊谷教授はアドバイスする。

 これは、1日3食の中で「肉」「卵」「牛乳」「油」「魚」「大豆」「緑黄色野菜」「イモ」「果物」「海藻」の10品目を食べたかどうかチェックするもので、結果が9点以上になる人は、将来寝たきりになるリスクが少ないというデータもあるそうだ。番組公式ページからもダウンロードが可能なので、試してみてはいかがだろうか。

 次回の5月7日放送は、「知っておきたいパーキンソン病」というテーマで、難病であるパーキンソン病の早期発見の重要性と的確な治療法、リハビリについて紹介される予定。

(萩原忠久)

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