2016年06月27日 公開

更年期障害に大豆が効果、食品もサプリも

オランダ・エラスムス大学など

 閉経を迎える前後の「更年期」には、顔がほてったり(ホットフラッシュ)、汗が止まらなくなったり、めまいやだるさを感じたりといった「更年期障害」のつらい症状に悩む女性が少なくない。その代表的な治療法として知られるのはホルモン補充療法だが、「病気ではないのだから病院に行く必要はない」「副作用が心配だから薬を使った治療は受けたくない」と考える女性が多く、あまり普及していない。その一方で、「更年期障害に効く」とされるサプリメントや食品を試す女性は多い。では、これらの効果は実際にどの程度あるのか―。6月21日発行の医学誌「JAMA」(電子版)には、オランダ・エラスムス大学などの研究チームが、欧米や中東、日本を含むアジアなど各国の更年期症状に悩む女性約6,600人における植物由来のサプリメントや食品、漢方薬の効果を検証した結果が掲載された。それによると、日本でもおなじみの豆腐など大豆製品や大豆イソフラボンのサプリメントに、わずかだが一定の効果があることが示されたという。

欧米で人気のハーブ「ブラックコホシュ」や漢方薬は効果示されず

 更年期のさまざまな症状に悩む女性が、「できるだけ薬に頼らず天然由来の成分で治したい」と考えるのは世界共通のようだ。今回の分析結果を報告したオランダ・エラスムス大学疫学部門のタウラント・ムカ氏らによると、欧米諸国でも4~5割の女性がホルモン補充療法ではなく食事や植物由来のサプリメントなどで症状を抑えることを選んでいるという。このうち特に広く利用されているのが、ホルモン補充療法に用いられる「エストロゲン」と似た作用を持つ「フィトエストロゲン」であるイソフラボンが豊富に含まれる大豆製品や大豆由来のサプリメントなどだ。この他、イソフラボン含有量は大豆よりも多いといわれるレッドクローバーや、ブラックコホシュなどのハーブ類、漢方薬なども使われているという。

 今回、同氏らはこれらの植物由来の治療(食事で大豆製品を多めにとることも「治療」と見なす)による更年期症状への効果を検証した62件の臨床試験(合計6,653人)のデータを分析した。その結果、大豆製品や大豆由来のサプリメント、レッドクローバーなどのフィトエストロゲンの摂取によって、1日当たりのホットフラッシュの回数が平均で1.3回減り、膣の乾燥も軽減することが示された。ただ、寝汗の改善には関係していなかったという。

 一方、ホットフラッシュや寝汗、膣の乾燥などへの効果が期待され、特に欧米諸国で広く使用されているハーブのブラックコホシュに関しては、いずれの更年期症状にも効果は示されず、同氏らは「その成分や作用は明確にされておらず、有害作用についても分かっていない」と説明。「現時点では更年期の症状を軽減するためにブラックコホシュを使用することは支持されない」との見解を示している。

 この他、当帰(セリ科トウキ属植物の根を乾燥したもの)などの漢方薬が更年期症状を改善することは示されなかった一方、松の樹皮から抽出される「ピクノジェノール」など最近注目されているサプリメントについては、ホットフラッシュの軽減に効果がある可能性が示された。ただ、いずれについても研究データが少なく、試験期間も短いため、効果の有無について結論付けるのは難しく、今後厳密な方法で検証する必要があると指摘している。

(あなたの健康百科編集部)

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