2018年06月01日 06:00 公開

高血圧治療薬がインフルエンザ感染を抑える?

 高血圧治療薬にインフルエンザウイルスの感染を防ぐ効果がある可能性が見出された。北海道大学大学院の研究グループが発見し、Cell Host Microbe2018年5月10日オンライン版)で報告した。

ウイルスと結合するカルシウムチャネルの機能を抑制

 研究グループは以前、インフルエンザの感染においては、細胞外のカルシウム(Ca)イオンの流入によって生じる細胞内のCaイオン濃度の上昇が重要な役割を果たすことを報告している。今回の研究では、細胞外のCaイオンを細胞内に取り込む蛋白質「Caチャネル」に着目し、インフルエンザウイルス侵入との関連を調べた。

 高血圧治療に用いられるCa拮抗薬は、Caチャネルの機能を抑制する働きを持つ。研究グループが培養細胞にCa拮抗薬を加えたところ、インフルエンザウイルスの侵入と感染が抑えられた。また、インフルエンザウイルスはCaチャネルに結合し、この結合が感染の成立に重要な役割を果たすことも明らかになった。さらに、Ca拮抗薬を投与したマウスでは、インフルエンザウイルスへの感染が抑制されたことから、生体内でもCa拮抗薬はインフルエンザウイルスに対する効果を発揮すると考えられた。

 今回の研究により、Caチャネルがインフルエンザウイルス感染において鍵となる受容体蛋白質であることが明らかとなった。今後は、Caチャネルを標的とした新たな治療薬の創出などが期待される。

(あなたの健康百科編集部)