2018年06月12日 06:00 公開

大学入学時のストレス、実は大きい

世界保健機関の調査

 大学入学時に新入生にかかるストレスは大きいことから、世界保健機関(WHO)は大学1年生を対象に、精神疾患発症に関する世界精神保健調査を行った。その結果、約2割の1年生が精神疾患のため日常生活上の役割をこなせていないと回答したことが分かった(Depress Anxiety 2018年5月30日オンライン版)。

約1万4,000人の大学1年生が調査に協力

 欧米8カ国19大学の1年生を対象に、『精神疾患の分類と診断の手引き第4版(DSM-Ⅳ)』に基づく精神障害の有病率と、Sheehan障害尺度(Sheehan Disability Scale;SDS)に基づく日常生活を送る上での生活障害について、インターネットによる自己記入式調査を行った。生活障害の評価項目は、家庭や大学生活における役割、密接な人間関係、社会生活に関するものとした。

 解析対象は回答が得られた1万3,984人(45.5%)で、平均年齢は19.3歳、女性は54.4%であった。

国別に見ても差はほとんどなし

 解析の結果、学生の20.4%が重度の生活障害を訴えていた。また、精神障害がないと回答した学生は10.0%であったのに比べて1つ以上の精神障害があると回答した学生は42.9%と、重度の生活障害が明らかに多かった。

 さらに、「3つ以上の精神障害がある」と回答した学生は、「精神障害がない」と回答した学生に比べて、重度の生活障害リスクが約5倍に上ることが分かった。また、大うつ病の学生ではそうでない学生に比べて、重度の生活障害を起こすリスクが4.0倍、全般性不安障害では3.9倍、パニック障害では2.9倍だった。

 このようなリスクは、各国でほとんど差がなかったという。

 大学1年時の精神障害が生活障害と明らかに関連していた今回の結果を踏まえ、研究グループは「大学入学時のストレスは大きく、それによる精神障害に対する予防的介入は、組織的に取り組むべき重要な課題である」と結論している。

(あなたの健康百科編集部)