2018年07月06日 06:00 公開

アトピー性皮膚炎は心血管疾患のリスク因子

 アトピー性皮膚炎は心血管疾患のリスク上昇と関係し、アトピー性皮膚炎の重症度および活動性が高い患者は特にそのリスクが高いと、英国などの研究グループが医学専門誌BMJ2018; 361: k1786)に発表した。

重症患者は心不全リスクが70%上昇

 アトピー性皮膚炎は、皮膚の保護機能と免疫システムの障害によって発症し、全身で炎症反応が起こる。この炎症反応は心血管疾患の発症と関連する可能性が報告されているが、まだ結論は出ていない。

 そこで研究グループは、1998~2015年の英国の電子診療録などのデータを用いて、成人のアトピー性皮膚炎患者は心血管疾患リスクが高いかどうか、またそのリスクはアトピー性皮膚炎の重症度や活動性によって異なるかどうかを検討した。

 対象は、アトピー性皮膚炎患者38万7,439例と年齢、性、受診クリニックなどをマッチさせた非アトピー性皮膚炎の対照152万8,477例。全体の登録時の年齢中央値は43歳、女性が66%であった。主要評価項目は心血管疾患の有無(心筋梗塞、不安定狭心症、心不全、心房細動、脳卒中の発症と心血管死)とした。

 追跡期間の中央値は5.1年だった。解析の結果、アトピー性皮膚炎群は対照群に比べて、死亡には至らない心血管疾患の発症リスクが10~20%高かった。

 心血管疾患リスクはアトピー性皮膚炎の重症度と強い関連を示し、重症患者は対照群に比べて脳卒中リスクが20%、心筋梗塞、不安定狭心症、心房細動、心血管死のリスクが40~50%、心不全リスクが70%高かった。また、追跡期間の50%超で皮膚炎が活動性であった患者でも心血管疾患のリスクが高かった。

 研究グループは「アトピー性皮膚炎の重症度と活動性が高い患者について、心血管リスク因子に対する啓発と医療機関におけるスクリーニングなどの予防策を開発することを考慮すべきである」と述べている。

(あなたの健康百科編集部)