2018年07月13日 06:00 公開

男性不妊に福音か―はり治療

 不妊といえば、長らく女性側の問題とされてきたが、実は男性側に問題のあるケースも少なくないことが、徐々に知られるようになってきた。男性専門のブライダルチェックなるものも存在する。そうした中、明治国際医療大学(京都府南丹市)などの研究グループが、男性不妊に関して注目の研究結果を発表した。はり治療によって精液の状態が改善したと、日本アンドロロジー学会第37回学術大会で報告したのだ。本結果は、男性不妊に悩むカップルにとって大きな福音となるかもしれない。

はり通電で造精機能が改善

 世界保健機関(WHO)が行った調査によると、不妊症の約半数は男性側に問題があるという。男性不妊症の約8割は、精子をつくり出す機能に異常の見られる無精子症や乏精子症、精子無力症である。こうした障害がなぜ起こるのか、分からないケースが半数以上に上ることもあり、治療法は確立されていない。

 そこで今回、研究グループは、成人男性24人(平均年齢22歳)を対象に、使い捨てのはりを鼠径部(足の付け根)に刺し、10分間通電刺激を与える施術を週に1回、3カ月継続。治療の前後に精液を採取して、分析を行った。

 その結果、はり通電刺激により、精子数が増加するとともに、精液濃度と精子運動率が改善した。また、精巣の血流速度の増加から血液循環の向上が、精液中のPSA濃度の上昇から前立腺機能の向上がうかがえた。対象者のうち、精子数の少ない乏精子症の男性2人と、乏精子症に加え、精子の動きが悪い精子無力症を併発していた男性1人では、はり治療により精液の状態が正常値になったという。

 研究グループは「男性不妊症に対して、はり通電刺激は有効な治療法になりうる」とし、臨床での応用に積極的に取り組んでいる。

(あなたの健康百科編集部)

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  • 日本アンドロロジー学会第37回学術大会