2018年08月22日 06:00 公開

子どもの肥満予防に母親ができる5つのこと

 米国では、6~19歳の子どもの5人に1人が肥満である。子ども時代に肥満になると、大人になって糖尿病や心疾患などを発症するリスクや死亡のリスクが高まる。それゆえ、子どもの肥満対策は喫緊の課題だ。このたび、米国・ハーバード公衆衛生大学院などの研究グループが、子どもの肥満予防に関する興味深い研究結果を発表した。それによると、母親がいかに健康的なライフスタイルを維持できるかが、子どもの肥満抑制のカギを握るという。研究の詳細は、7月4日発行の医学誌「BMJ」(電子版)に掲載されている。

母が健康的な生活を送ると、子の肥満リスクが75%低下

 肥満は遺伝と言われているが、近年の急速な肥満人口の増加からすると、食生活やライフスタイルの変化によるものではないかと考えられる。つまり、「生まれ持ったもの」より「出生後の育ち」の方が、肥満への影響が強いのではないかというのだ。

 研究グループは、母親の健康的なライフスタイル(①健康的なBMIの維持、②高品質の食事、③定期的な運動、④禁煙、⑤軽~中等度の飲酒)が、その子どもたちの肥満にどのような影響を及ぼすかについて調べた。

 研究の対象となったのは、肥満のない9~14歳の2万4,289人。彼らは、米国で行われた女性看護師の健康に関する追跡研究(NHSⅡ)に参加した1万6,945人から生まれた子どもたちだ。

 5年間(中央値)の追跡期間中に、1,282人(5.3%)の子どもが肥満になった。子どもが肥満になるリスクは、母親が健康的なBMI(18.5~24.9)を維持していると、そうでない場合に比べて56%低かった。母親が中等度~強度の身体活動を少なくとも150分/週行っているケースでは、実行していない場合より21%低かった。さらに、母親に喫煙習慣がないと、喫煙者に比べ31%低く、適度(1日に1.0~14.9g)なアルコール摂取量を守っている母親では、それ以外の母親に比べて12%低かった。一方、母親が質の高い食事を摂っていても、その子どもの肥満リスクは抑制されなかった。

 5つの健康的なライフスタイルを全て実践している母親の子どもが肥満になるリスクは、全く実践していない母親の子どもに比べて75%低かった。さらに、母親だけでなく、子どもも健康的なライフスタイルを維持している場合には、そのリスク低下は82%に達した。

 研究グループは、今回の結果について「子育て中の母親が健康的なライフスタイルを順守すれば、子どもの肥満リスクが大幅に低下する。これは、子どもの肥満リスクを抑制するために、親はさまざまな介入が可能だということを示している」とコメントしている。

(あなたの健康百科編集部)