2018年08月27日 06:00 公開

中年期に飲まないのも認知症のリスク

英国の観察研究

 35~55歳の英国人公務員1万例超を対象に、飲酒が認知症の発症に及ぼす影響を検討した大規模前向き研究Whitehall II studyの結果がBMJ2018; 362: k2927)に掲載された。報告者のSéverine Sabia氏らによると、中年期に飲酒しないことと過剰飲酒という真逆の生活習慣のどちらも認知症の発症リスクであるという。

飲酒はワイン、ビール、蒸留酒の種類で評価

 Whitehall II studyの参加者として、1985年に英国公務員1万308例(男性6,895例、女性3413例、年齢35~55歳)が登録された。

 参加者に、中年期であった1985~93年(平均年齢50.3歳)に摂取したワイン、ビールおよび蒸留酒の週当たりの摂取量〔①飲まない②少量~中等量(1〜14ユニット /週)③多量(14ユニット以上)〕と、アルコール依存症に関するCAGE質問票を記入してもらった。さらに、中年期~老年早期(1985~2004年)の長期間のアルコール摂取量、カルテに基づいたアルコール関連疾患による入院(1991~2017年)を確認した。

断酒していた人では発症リスクが1.5倍

 追跡できた9,087例のうち、認知症を発症したのは397例(平均追跡期間23.2年、診断時の平均年齢75.6歳)であった。

 中年期の飲酒と認知症発症との関連を調べた結果、1週間に少量~中等量を飲酒していた人に比べ、酒を飲まない人の認知症リスクは約1.5倍だった。一方、多量に飲酒していた人においては、摂取量が7ユニット増えるごとに17%リスクが上昇した。

 さらに、CAGE質問票でアルコール依存症の可能性ありとされた人と、アルコール関連疾患による入院歴ありの人が、認知症の発症と関連していた。

 続いて、中年期~老年早期における長期のアルコール摂取量と認知症発症リスクを見たところ、1週間に少量~中等量を飲んでいた人に比べ、酒を飲まない人では約1.8倍、多量に飲んでいた人では1.4倍だった。

 Sabia氏らは「今回の結果は、高齢者の認知機能を正常に保つ上で、各国のガイドラインで推奨されている週14ユニット未満の飲酒を支持するものである」としている。

  •  1ユニットには約8gの純アルコールが含まれている。14ユニットは、ビール中瓶(500mL中に純アルコール約20g含有)で5.6本

(あなたの健康百科編集部)