2018年08月29日 06:00 公開

妊活男性はボクサータイプの下着を

 ボクサータイプ、ブリーフ、ビキニ...男性が着用する下着の種類によって、精子の産生量に差があることが分かった。米国ハーバード大学T.H. Chan公衆衛生大学院の研究グループは「普段からボクサータイプ(いわゆるトランクス)の下着を着用している男性は、他のタイプの下着を着用する男性と比べて有意に精子濃度が高く、精子の総数も多かった」とHum Reprod2018年8月8日オンライン版)に発表した。

精子濃度は25%高く、総数は17%多い

 20世紀の終盤から、男性の精子数が減少しているとの報告が相次いでおり、一部では男性のテストステロン値の低下傾向も併せて報告されている。これらの原因として化学物質への曝露、肥満の増加、食事の質の低下、陰囊温度の上昇などが挙げられているが、いまだ明らかでない。陰囊の温度に関連する下着のタイプと精巣機能についての研究も不十分である。

 研究グループは下着の種類と精子の質との関連を調べるため、2000〜17年に不妊治療センターで治療を受けていたカップルの男性656人(32〜39歳)を対象に、着用下着の情報と精液のサンプルを収集。対象者には過去3カ月に着用した下着(ボクサータイプ、ジョッキータイプ、ビキニ、ブリーフなど)の種類についても質問した。

 その結果、対象者のうち53%がボクサータイプの下着を身に着けていると回答した。精液サンプルの分析では、ボクサータイプを着用していた男性では、それ以外のタイプを着用していた男性と比べて精子濃度が25%高く、総精子数は17%多かった。また、ボクサータイプ着用者では、卵子に向かって移動するための運動性が高い精子の割合も高かった。精子濃度においてボクサータイプと最も大きな差が見られたのは、ジョッキータイプとブリーフであった。

精子と卵胞刺激ホルモン値は反比例

 さらに、対象者のうち304人から採取した血液サンプルを調べたところ、ボクサータイプ着用者では、それ以外と比べて卵胞刺激ホルモン(FSH)値が14%低く、精子濃度と精子総数はFSH値に反比例していた。男性の生殖能に重要な役割を果たすことが知られているFSHは、精子の産生とも関連している。ぴったりフィットした下着を着用する男性で精子数が少なくFSHレベルが高かった点については、下着の密着による精子の産生低下が脳に伝わり、精子を増加させるためにFSHの産生が促進されていることが示唆される。

 研究グループは「今回の研究結果は、男性下着の選択が妊孕性に影響する可能性があるというエビデンスを提供した。そして、一見ランダムに行われている生活様式の選択が、精巣と脳の両方のホルモン産生に深刻な影響を及ぼす可能性があることも初めて示した」と述べている。

(あなたの健康百科編集部)