2018年09月14日 06:00 公開

アレルギーの子どもは虫垂炎が軽い?

スウェーデンの研究で明らかに

 さまざまな病気を引き起こすためにネガティブなイメージが強いアレルギー。だが、アレルギーがあるおかげで重症になりにくい病気も存在する可能性を示す研究結果が報告された。スウェーデン・Skåne University HospitalのMartin Salö氏らは、急性虫垂炎(盲腸)のため手術を受けた子ども約600人を調査。花粉症や喘息の原因となるIgEという蛋白質によるアレルギー反応を示す子どもでは、重症になる例が少なかったと発表した。

アレルギー群では入院期間も短縮

 虫垂炎は子どもや若者でよくみられるが、その一部が重症化する理由は不明だった。ただ以前から、虫垂炎が重症するかどうかには、アレルギー反応が関与しているのではないかという仮説が唱えられていた。
 そこでSalö氏らは、IgEによるアレルギー反応を示す子ども(アレルギー群)とそうでない子ども(非アレルギー群)において、虫垂炎が重症化する割合を調査、比較した。

 調査対象は、2007年1月1日~17年7月31日に同国ルンド市のSkåne University Hospitalで急性虫垂炎の手術を受けた15歳未満の子ども605人。このうち102人(16.9%)がアレルギー群、503人が非アレルギー群だった。
 虫垂炎については、壊疽(組織が腐ってしまうこと)や穿孔(臓器に穴が開いてしまうこと)などが確認された場合を重症、炎症のみ確認された場合を非重症に分けた。

 調査の結果、重症虫垂炎になった割合は非アレルギー群で46.9%だったのに対し、アレルギー群では19.6%と目立って低かった。また、非アレルギー群と比べてアレルギー群では入院期間も短かった。

 Salö氏らは「アレルギー反応の有無が虫垂炎の重症度に影響を与えている可能性が示された」と説明し、「この調査結果は、子どもの虫垂炎に対する理解を深め、新たな診断法を開発するきっかけになるかもしれない」とコメントしている。

(あなたの健康百科編集部)