2018年10月25日 公開

AIで糖尿病発症リスクを予測

 国立国際医療研究センターは、健康診断の結果を入力することで糖尿病発症のリスクを予測する「糖尿病リスク予測ツール」を教育ソフトウェア社と共同開発し、10月24日に公開した(https://www.ncgm.go.jp/riskscore/)。

健診データから3年後の糖尿病発症リスクを予測

 日本には糖尿病が強く疑われる人、糖尿病の可能性を否定できない人がそれぞれ約1,000万人存在すると推計されている。糖尿病は網膜症、腎症、神経障害の三大合併症に加え、心血管疾患、がん、認知症など、さまざまな疾患のリスクを高めるため、その予防は国民的な課題であり、健康寿命の延伸という観点からも重視すべきである。

 2型糖尿病は遺伝的素因に加え、生活習慣などの環境要因や加齢により体内の糖分を処理する能力が徐々に低下し、境界型糖尿病あるいは前糖尿病といわれる状態を経て発症する。初期段階では自覚症状に乏しく、健康診断により発見されることが多い。

 「糖尿病リスク予測ツール」は、J-ECOH試験という多施設が参加した共同研究で収集された3万人の健診データに基づき、人工知能(AI)を用いた機械学習手法により開発された。糖尿病と診断されたことがない30~59歳の男女を対象としており、体重、喫煙習慣、血圧などの基本項目(非侵襲的データ)を入力することで3年後の糖尿病発症リスクを予測する。空腹時血糖値やHbA1c値などの血液データを追加することで、より精度の高い予測を行うことが可能で、同性・同年代と比較した結果も示される()。

図. 予測結果画面イメージ

(国立国際医療研究センタープレスリリースより)

 「糖尿病リスク予測ツール」は、主に就労世代における糖尿病の予防対策を支援する目的で開発された。健診データに基づく自身の糖尿病発症リスクの把握を通じて、多くの人々が食事や運動といった生活習慣の改善に取り組むきっかけになることが期待される。なお、糖尿病についての詳細は、国立国際医療研究センター糖尿病情報センターの公式サイトで詳しく解説されている(http://dmic.ncgm.go.jp/index.html)。

(あなたの健康百科編集部)