2018年11月26日 06:00 公開

亜麻仁油や魚油によりアレルギー性結膜炎が改善

 亜麻仁油や魚油を取ることで花粉症の眼の症状が改善するかもしれない。順天堂大学の研究グループは、亜麻仁油や魚油に豊富に含まれるω-3脂肪酸の摂取が花粉症の眼の症状(アレルギー性結膜炎)を改善させるメカニズムについて検討。炎症性脂質メディエータの減少によりアレルギー性結膜炎の症状が改善したことを米科学雑誌The FASEB Journal2018年11月1日オンライン版)で報告した。

ポイント
・アレルギー性結膜炎の結膜中には症状を引き起こすさまざまな脂質メディエータが存在する
・ω-3脂肪酸を豊富に含む亜麻仁油の摂取は炎症性脂質メディエータを減らしてアレルギー性結膜炎を改善する
・アレルギー性結膜炎の新しい予防・治療法につながる研究成果

 アレルギー性結膜炎は眼の充血、まぶたの腫れ、「めやに」などの症状があり、眼のかゆみにより生活の質は著しく低下する。患者数は世界的に増加傾向にある。炎症性脂質メディエータは生体内でつくられて炎症を引き起こす脂質である。主に細胞膜に存在するアラキドン酸(AA)という脂肪酸から産生され、代表的なものにプロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエンなどがある。

 ω-3脂肪酸は食事から摂取しなければならない必須脂肪酸であり、αリノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などが代表的である。亜麻仁油や魚油、荏胡麻油などに豊富に含まれるが、肉類には少ない。近年、抗炎症作用が注目され、喘息などのアレルギー疾患への効果が報告されているが、詳しいメカニズムは分かっていない。研究グループは、ω-3脂肪酸の抗炎症作用がアレルギー性結膜炎にも有用ではないかと考え、亜麻仁油を混ぜた餌をマウスに与え、アレルギー性結膜炎が改善するか検証した。

亜麻仁油によりアレルギー性結膜炎が改善

 研究グループは、欧米における花粉症の原因として最も多いブタクサ花粉を用いてアレルギー性結膜炎の症状を発症させたマウスを作製。亜麻仁油を4%含んだ食餌を与えるマウスと通常の食餌を与えるマウスに分けて2カ月後に比較したところ、亜麻仁油を与えたマウスではアレルギー性結膜炎の症状が改善していた。

 次に、アレルギー性結膜炎に対してω-3脂肪酸がどのように働いているのかを調べるため、結膜中の脂質メディエータの解析を行った。その結果、亜麻仁油を与えなかったマウスではアレルギー炎症を引き起こすさまざまな炎症性脂質メディエータが検出されたのに対し、亜麻仁油を与えたマウスではこれらの炎症性脂質メディエータが著しく減少し、ω-3脂肪酸であるEPAが増加していた。

 以上の結果から、ω-3脂肪酸を摂取することで結膜中の炎症性脂質メディエータが減少し、アレルギー性結膜炎の症状が改善することが示された(図)。研究グループによると、これは世界で初めての報告だという。アレルギー性結膜炎の新しい予防・治療法の開発につながることが期待される。

図. ω-3脂肪酸によりアレルギー性結膜炎を抑えるメカニズム

(順天堂大学プレスリリースより)

(あなたの健康百科編集部)