2018年12月05日 06:00 公開

『代謝的に健康』な米国人は8人に1人

 肥満で血糖値、血圧、中性脂肪などが正常範囲にない『代謝的に不健康』な人は、深刻な健康問題を生じやすいことが知られている。そこで、米国の研究者らは同国に『代謝的に健康』な人がどの程度存在するのかを調べた。その結果、『代謝的に健康』な米国人は8人に1人しかいないことが分かったという。この研究結果は、医学専門誌Metab Syndr Relat Disord(2018年11月28日オンライン版)に発表された。研究者らは「米国人は正常な体重でも『代謝的に健康』な人の割合は、非常に低いことが分かった。今後は健康的な生活を促進するため、より強力な対策を講じる必要がある」と述べている。

正常体重でも 『代謝的に健康』は3割

 これまでの研究結果から、肥満で血糖値、血圧、中性脂肪などが正常範囲にない代謝的に不健康な人は、2型糖尿病や心血管疾患などの慢性疾患に罹患しやすいことが示されている。そこで、研究者らは2009~16年の米国民保健栄養調査(NHANES)に登録した米国人8,721人のデータを用いて、『代謝的に健康』な人の割合を分析した。

 『代謝的に健康』とは、腹囲(男性102cm未満、女性88cm未満)、血糖値(空腹時血糖100mg/dL未満、HbA1c 5.7%未満)、血圧(120/80mmHg未満)、中性脂肪値(150mg/dL未満)、HDLコレステロール値(男性40mg/dL以上、女性50mg/dL以上)が至適範囲内にあり、治療を必要としない者と定義した。

 検討の結果、『代謝的に健康』な人の割合は12.2%、約8人に1人であることが分かった。

 危険因子別の検討では、腹囲、血糖値、血圧が至適範囲内にある米国人は50%未満しか存在しなかったのに対し、中性脂肪値、HDLコレステロール値が至適範囲内にある米国人は4分の3存在した。

 『代謝的に健康』な人の特徴としては、女性、年齢が若い、教育レベルが高い、非喫煙、運動量が多い、BMI低値が挙げられた。一方、『代謝的に健康』でない傾向にある人の特徴としては、非ヒスパニック系の黒人、BMI高値が挙げられた。

 体重が正常範囲内にある人(BMI 18.5~24.9)でも『代謝的に健康』な人の割合は31.3%にすぎず、過体重(同25.0~29.9)では8.0%、肥満(同30.0以上)では0.5%に減少した。

 研究者らは「米国人における『代謝的に健康』で慢性疾患リスクが低い人の割合は、非常に低いことが示された。特に肥満者、教育レベルが低い人、運動量が少ない人、喫煙者では著しく低かった。この結果から、これまで健康的な生活を促進するために行われてきた取り組みがあまり成功していないことが分かった。今後はより強力な取り組みに、より多くの人に参加してもらう必要がある」と述べている。

(あなたの健康百科編集部)