2018年12月11日 公開

高脂肪の魚を含む地中海食で小児喘息が改善

 小児喘息の改善には、適切な治療とともにバランスの良い健康的な食事が有効であると言われるが、では具体的にどのような食品をとればいいのか-。その疑問に答える研究結果が示された。オーストラリア・La Trobe UniversityのMaria Michelle Papamichael氏らは、野菜や果物、オリーブオイルや豆類などをふんだんに使う地中海食と良質な脂肪が豊富に含まれるサケやイワシなどの魚を合わせて摂取すると、喘息の症状が改善することが分かったとJ Hum Nutr Diet2018年10月30日オンライン版)で報告した。

炎症をおさえ、免疫をコントロールするω-3脂肪酸

 サケやイワシ、マスなどの脂肪が多い魚に含まれるω-3脂肪酸には、炎症をおさえ、免疫をコントロールする作用がある。

 そこでPapamichael氏らは、ω-3脂肪酸を豊富に含む魚と地中海食の摂取による喘息患児への有効性を検証する研究を実施した。

 研究は、ギリシャの首都アテネに住む5~12歳の軽症の喘息患者64人(男児33人、女児31人)を対象に実施。患者のうち半数を、高脂肪の魚150g以上が含まれた地中海食を週2回摂取するグループ(魚+地中海食群)に、残る半数を通常通りの食事を摂取するグループ(対照群)に無作為に分けて、喘息の改善効果を比較した。
 なお、喘息が改善したかどうかは、患者が吐き出す息(呼気)に含まれる一酸化窒素(NO)濃度を測定する方法で評価した。この濃度は、喘息症状があると上昇することが分かっている。

魚+地中海食群では呼気中のNO濃度が低下

 同氏らは、患者の年齢、性、BMI、身体活動の程度の差が研究結果に影響を及ぼさないようにして解析した。6カ月後の試験終了時点で魚+地中海食群では呼気中のNO濃度が約14ppb低下し、気管支の炎症が軽減していたが、対照群ではそのような変化は見られなかった。

 ちなみに、国際的な喘息に関するガイドラインでは、呼気中NO濃度が10ppb以上低下した場合は、治療効果があったと解釈できるとしている。

 この結果について、共同研究者の一人で同大学のCatherine Itsiopoulos氏は「植物由来の食品と脂肪を多く含む魚を組み合わせた伝統的な地中海食を日常生活に取り入れると、小児喘息の症状を簡単かつ安全に軽減できるのではないか」と述べている。

(あなたの健康百科編集部)