2018年12月12日 公開

知っておきたい避妊にまつわる7つのこと

自分の人生を生きるために

 自分やパートナーが妊娠したら、あなたはどうしたいか。妊娠を望んでいなかった場合、避妊についての正しい知識はあっただろうか。実は日本は、世界の避妊や中絶の制度、性教育などで、世界から大きく遅れている。思いがけない性に関する出来事に振り回されず、自分らしく生きるために、シンポジウム「THINK OF HININ! 自分の体・ライフスタイルに合った避妊法を選ばせて!」(2018年10月7日)から、早乙女智子氏(産婦人科医・一般社団法人性と健康を考える女性専門家の会)、染矢明日香氏(NPO法人ピルコン代表)、福田和子氏(#なんでないの代表)の発表に基づいて、避妊について知っておきたい7つのポイントをまとめた。

◎この記事のポイント
●世界:長期的に高確率で避妊できる方法がスタンダード。アフターピルを手に入れやすい。正しい避妊に関する情報にアクセスしやすい
●日本:長期的に高確率で避妊できる方法が未承認。アフターピルを手に入れにくい。正しい避妊に関する情報にアクセスしにくい
●"My body, my choice!" 日本でも、自分の体やライフスタイルに合った避妊法が選べるようになるべき

1・2.実は避妊法はたくさんある
そして世界の避妊は"LARC"の時代

 世界にはたくさんの避妊法があり、長期的に確実に避妊でき、妊娠したいと思えばすぐに止められる方法が主流となっている。IUDは10年、IUSは3年から5年、インプラノン®は3年、避妊注射は3カ月というように、1回の処置で効果が持続する。こういった方法は"LARC"(long acting reversible contraception:ラーク)と呼ばれる。副作用のある避妊法もあるが、自分で納得して、体やライフスタイルに合ったものを選ぶことができる。一方日本では、未承認のものが多い()。

表. 各避妊法における1年間の避妊失敗率

(%)

※赤字は日本未承認
James Trussell, Contraceptive failure in the United States Contraception. 2011 May; 83(5): 397-404 浅井宏友 避妊法(contraception)を基に作成〕

3.コンドームは避妊法としては不確実

 日本では、避妊をする人の多くがコンドームを使っている。しかし、上の表で見るとおり避妊成功率は低く、男性の協力が必要で、女性が主導権を取りにくいというデメリットもある。コンドームは性感染症予防にはある程度有効だが、世界ではIUSやIUDなど、より確実で女性が主体的に利用できる避妊法が選ばれている。

4.海外では1,000円程度のアフターピル

 アフターピルは、避妊に失敗した際、3日以内(薬剤によっては5日以内)に1回服用することで、妊娠の継続を回避することができる。処方箋なしに薬局で1,000円程度で買えたり、学校の保健室でもらえたりする国もある。さらに、約60カ国で中絶ピルも使われている。日本では、アフターピルは保険適用されておらず、処方箋が必要で1回1万5,000円程度、2万円を超えることもあり、休日だとさらに上乗せされるケースも少なくない。性被害を受けた際は無償になるが、そもそも被害を訴えにくいという課題がある。中絶ピルも、まだ認可申請中だ。

5.母親にだって避妊は大切

 望まない妊娠をした場合、中絶理由として20代では「未婚」が多いが、30代以降になると、「人数的にこれ以上育てられない」といった理由が入ってくる。避妊、妊娠、出産、中絶は、1人の女性に何度も起こり得ることなので、計画的な避妊は、出産経験のある女性にも大切である。

6.性はみんなの健康問題

 避妊や出産、中絶というと、女性の問題と思われるかもしれない。しかし、性を考えることは、自分の人生設計を考えることにつながり、女性、男性、LGBT関係なく、すべての人の権利であり、健康問題だ。ところが、日本では中学校で妊娠の経過が教えられず、インターネットから不確かな情報を得る子供が多い。そのため、若年から正しい性教育が必要とされている。

7.おかしいと思ったら、声を上げていい

 成功率の低い避妊方法しか選べないにもかかわらず、避妊に失敗したときのアフターピルさえ、手に入りにくい。こういった状況におかしいと思ったら、声を上げて構わない。アフターピルを薬局で安く入手できるようにする署名活動や、学校で実情に即した性教育を行えるようなキャンペーンを行っている団体もあるので、チェックしてみてはいかがだろうか?

参考URL
NPO法人ピルコン:http://pilcon.org/
#なんでないの:https://www.nandenaino.com/

(あなたの健康百科編集部)