2019年01月28日 公開

出産と心血管疾患リスク

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 出産することで、心臓病や脳卒中のなどの心血管疾患リスクが14%も高まるかもしれない。中国・華中科技大学のDongming Wang氏らは、出産を経験した女性と経験していない女性とで心臓病や脳卒中の発症率を比較した研究結果をEuropean Journal of Preventive Cardiologyのオンライン版に報告した。

出産経験者では14%リスクが高い

 Wang氏らはまず、医学や生物の論文データベースにおいて、「妊娠」や「心血管疾患」に関わる複数のキーワードを検索し、4,700件の論文をピックアップした。その中から心血管疾患リスクを研究した観察研究に絞り込み、最終的に10件の試験をリストアップ。この10件を用いて分析を行った。これらの10件は1987~2018年の間に行われ、国ごとの内訳はスウェーデン1件、米国4件、中国2件、英国2件、欧州10カ国1件であった。各試験の規模は867例~133万2,062例、心血管疾患発症数は45例~6万5,204例、平均観察期間は6年~52年の間であった。

 これらの論文を分析し、出産経験の有無別に女性を比較した結果、出産を経験した女性では経験していない女性と比べて、心血管疾患リスクが14%高かった。さらに、出産を経験した女性では、1人出産するごとに心血管疾患リスクが4%高くなっていた。同氏らは、出産回数と心血管疾患リスクの関連については複雑であるとした上で、「妊娠により腹部の脂肪蓄積、アテローム性動脈硬化症などを来す可能性がある。このような変化は生涯にわたって心臓や血管に悪影響を与え、そのことが出産を経験した女性における心血管疾患リスク上昇の理由付けになるかもしれない」とし、「妊娠後は禁煙、定期的な運動、健康的な食事、適正体重の維持を心がけること。また、腹部の脂肪を減らすために運動量を増やし、食事に含まれる脂肪の量に注意すべきだ」と指摘している。

(あなたの健康百科編集部)