2019年02月13日 公開

性的マイノリティーの抑うつ症状は10歳時には出現

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 英国で進行中の研究のデータを解析した結果、LGBQなどの性的マイノリティーの若者は異性愛者(ヘテロセクシュアル)の若者に比べて自殺目的での自傷経験が約4倍で、早い人では10歳のときに既に抑うつ症状が出現していることが判明したという。研究の詳細は医学専門誌Lancet Child Adolesc Health2019; 3: 91-98)に発表された。

10歳の時点で既に抑うつの程度が高い

 解析対象は、1991年4月1日~92年12月31日に英国で出生し、16歳の時点で自己の性的指向について回答した4,828例。このうち625例(12.9%)が性的マイノリティーであった。被験者は10、12、13、16、18、19、21歳の各時点で抑うつ症状を評価する質問票(スコア範囲0~26、高スコアほど重症)に回答し、16歳および21歳時には自傷に関する質問票に回答した。

 解析の結果、性的マイノリティー群はヘテロセクシュアル群(対照群)に比べて10歳時の抑うつ症状の重症度が高かった(平均スコア4.58 vs. 3.79)。スコアは両群とも加齢に伴い上昇したが、性的マイノリティー群は対照群に比べてスコア上昇幅が大きく、各時点でのスコア上昇幅は対照群の0.31ポイントに対し、性的マイノリティー群では0.49ポイントであった。

21歳時の自殺目的の自傷経験は約4倍

 さらに、性的マイノリティー群は対照群に比べて、16歳および21歳時に「過去1年間に自傷経験がある」と回答した割合が多く、21歳時に「少なくとも1回は自殺目的での自傷経験がある」と回答した割合は約4倍であった。

 性的マイノリティーとヘテロセクシュアルでは10歳という早期から抑うつ症状に差が出現している点について、研究者は「自分は他人と違うという感覚を十分に表現できないことが、小児の精神的健康に悪影響を及ぼしているのではないか。この差は思春期を通して拡大しているので、家庭や学校での差別、孤独感、社会的孤立、羞恥心や不安、拒否感など、さまざまな要因が関与している可能性がある」と指摘。「このような性的マイノリティーにおける精神的な健康問題の予防と早期介入は、優先的に取り組むべき課題だ」と結論している。

レズビアン(L:女性同性愛者)、ゲイ(G:男性同性愛者)、バイセクシュアル(B:両性愛者)、クエスチョニング(Q:自己の性認識や性同一性、性的指向が定まっていない状態の人)

(あなたの健康百科編集部)