2019年03月19日 公開

若い女性は献血による鉄欠乏性貧血に注意を

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 治療や手術などで輸血を必要とする人のために、血液を無償で提供する献血。献血ルームや献血バスで行ったことがある人も多いだろう。健康な人であれば献血による身体への影響はほとんどないが、たとえ健康であっても、若い人、特に女性は注意が必要かもしれない。米ジョンズ・ホプキンス大学輸血医学部門のEshan U. Patel氏らの研究から、青年期の女性では献血により鉄欠乏性貧血リスクが高まる可能性が示された。詳細は医学誌「Transfusion」(2019年2月18日オンライン版)に掲載されている。

経口による鉄補給などの対策が必要

 献血は体内の貯蔵鉄量を減少させる。血液中の全ての成分を献血する全血献血1回につき、体内から200〜250mgの鉄が失われるといわれている。若年者は一般的に血液量が少ないため、成人と同じ量の血液を献血した場合、相対的により多くの鉄を失うことになる。毎月月経で血液を失う女性は、献血による貯蔵鉄量の減少がより懸念される。

 こうした点を踏まえて研究グループは、1999〜2010年の米国民保健栄養調査(NHANES)のデータを用いて、女性における献血と鉄欠乏の関連を調べた。対象は、前年に献血を行ったと申告し、体内の貯蔵鉄量を反映する血清フェリチンの測定データがある9,647人。16〜19歳の若年女性(2,419人)と20〜49歳の成人女性(7,228人)に分けて解析を行った。

 その結果、血清フェリチン値は若年女性、成人女性ともに、非献血者に比べて献血者で低かった。血清フェリチン値12ng/mL未満の鉄欠乏の人の割合も、若年女性、成人女性ともに献血者で高かった。さらに、鉄欠乏性貧血(血清フェリチン値26ng/mL未満かつヘモグロビン値12g/dL未満)の人は、若年女性献血者で9.5%、成人女性献血者で7.9%と、いずれにおいても非献血者(若年女性、成人女性ともに6.1%)に比べて高かった。

 研究グループは、今回の調査で示された献血者の鉄欠乏性貧血の割合が、非献血者における割合より明らかに高い点を重視。「献血者全般を鉄欠乏から守るための方策として、ヘモグロビン検査や最低体重制限、献血する間隔を一定期間以上空ける−などが導入されているが、若年献血者に対しては、経口による鉄補給を勧める、献血間隔をさらに延ばす、全血献血ではなく成分献血を選択させるといった、さらなる対策が必要である」としている。

(あなたの健康百科編集部)