2019年04月17日 公開

宇宙食料関連プログラム「Space Food X」発進!

 映画『オデッセイ』で、火星に置き去りにされたマット・デイモンが生き残るために必死でじゃがいもを育てたように、自給自足なくして宇宙では暮らせない。宇宙で暮らす? それはもう夢物語ではなく、現在の宇宙開発構想では2030年には月面基地がつくられ、2040年には1,000人が月に住むとされている。では、地球に比べ圧倒的に資源の乏しい宇宙において、どのように食料を確保するのか。この高いハードルを越えるため、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と日本の30以上の企業や研究機関による宇宙食料関連プログラム「Space Food X」が始動した。

食料は現地生産、ゴミも水も完全再利用

 Space Food Xでは宇宙における食の問題を、食料生産、食品加工・提供、食空間・食文化などに分類し、参加企業・研究施設が各課題の解決に取り組む。例えば食料生産では、野菜の栽培は人工光植物工場で(担当:プランテックスほか)、肉や魚の供給は細胞培養で行い(同:インテグリカルチャーほか)、水はAIを使った循環システムで徹底的に再利用する(同:WOTA)。不足する栄養素は微細藻類ユーグレナで補充する(同:ユーグレナ)ほか、機能性宇宙食も用いる(同:徳島大学宇宙栄養研究センターほか)。食品加工・提供で参加しているハウス食品、日清食品、サッポロビールは取り組みの詳細はまだ明らかにしていないものの、それぞれスペースカレー、宇宙食ラーメン、国際宇宙ステーション栽培のホップを用いたSpaceBarleyなど、宇宙食に関連した実績を持つ。電通や山形大学などによるチームプロジェクトOPENMEALSの手がける3Dフードプリンターは、料理の色・味・食感・栄養素の再現を目指している。2018年から本格的に宇宙事業に進出した全日空(ANA)のテーマは機内食サービスである。

 このように多彩な顔ぶれが進める同プログラムの目標は、月や火星などにおける宇宙生活を長期かつ安定して営むための効率的な食料生産と、生ゴミや排泄物さえも資源として再利用する完全な循環システムの構築である。Space Food Xでは「宇宙における食の課題は、地球上のそれと共通する。このプログラムで得られた技術と知恵で、宇宙そして地球で暮らす人々のwell-beingな未来社会を実現したい」としている。

(あなたの健康百科編集部)