2019年04月19日 公開

関節リウマチ患者は春の気候変化に気をつけて

 関節リウマチ(RA)は滑膜の炎症が続いて関節を壊してしまう全身性自己免疫疾患。RAの症状の強さ(「疾患活動性」という)は、温度や湿度、日照時間、気圧などの天候と関連があると報告されており、季節がRAの臨床症状に影響を与える可能性が示唆されている。

 東京医科大学病院などの研究グループは、日本の関節リウマチ患者が登録されている全国規模のデータベースNINJAのデータを解析。RAの疾患活動性は、春に最も強くなることを明らかにした。詳細は「BMC Musculoskeletal Disorders」に掲載されている。

関節リウマチに伴う関節炎の症状は春と冬、疾患活動性は春に高い

 研究グループは、NINJAに登録された15,341人のうち、痛みや腫れのある関節部位に関するデータが揃っている12,839人を対象に、2016年4月1日〜17年3月31日の春(3〜5月)、夏(6〜8月)、秋(9〜11月)、冬(12〜2月)に分類して、腫脹関節数、痛み(VASスケール)、疾患活動性評価の尺度として広く使われているDAS28-CRP、SDAI、CDAIのスコア、炎症マーカーであるC反応性タンパク(CRP)、画像評価などを解析した。

 その結果、関節炎の症状は上肢・下肢ともに春や冬に強いことが分かった。疾患活動性を評価するDAS28-CRPスコアは春、冬、夏、秋の順に高く、同じく疾患活動性の評価に用いられるSDAI、CDAIスコアも春が最も高かった。この結果から、春が最も疾患活動性の高い時期であることが明らかにされた。

季節の変化に上手に対応しよう

 筋肉や関節の痛みは、寒さが強まる冬に症状が最も強くなるイメージが一般的なので、なぜ春?と思う人もいるかもしれない。しかし、慢性的な痛みを持つ人にとっては、春の気候変化は影響が大きいようだ。特に日本では、春の訪れの象徴である「三寒四温」といわれる特徴的な気候パターンがある。寒さが3日続いた後、4日暖かい天候が続くという急激に反復する不安定な気候変化が、関節リウマチの症状悪化を招いているようだ。

 また、春は新生活が始まる時期でもあり、さまざまなライフイベントがストレスを招くことも特徴だ。関節リウマチの症状は、ストレスなどの心理的苦痛の影響を受けることが知られている。

 なお、今回の研究結果について、患者の年齢層による違いはみられなかった。どの年齢層でも、季節変化による影響が生じる可能性があるようだ。関節リウマチの疾患活動性を抑え、日常生活を快適に過ごすためには、季節の変化に上手に対応することも大切なポイントとなると言えるだろう。

(あなたの健康百科編集部)