2019年04月22日 公開

妊活を考えているあなたに―「ふたりの妊活」のススメ

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 女性の就業率上昇と共働き世帯数の増加さらには晩婚化と、子供との生活を夢見るカップルを取り巻く状況は厳しさを増すばかり。これを反映しているかのように、さまざまなメディアで "妊活"という言葉を目にするようになった。日本の夫婦の3組に1組が不妊を心配したことがあるという調査データもあり、社会的な注目度の高さもうかがえる。

 このような中、株式会社リクルートライフスタイルが開催したメディア向けセミナーで、"カリスマ産婦人科医"としてさまざまなメディアで活躍中の宋美玄(ソン ミヒョン)氏が登壇し「これまでの妊活の課題とこれからのふたりの妊活のススメ」をテーマに講演した。その内容から、合理的で計画的な妊活のためのエッセンスを拾ってみた。

卵子も精子も加齢とともに質が低下

 女性は、出生時に約200万個の卵子を蓄えているが、思春期には20万~30万個になり、その後は月に約1,000個ずつ減り続け、閉経時にはほぼ0個になる。当然ながら、卵子の数が減れば妊娠も難しくなる。しかし、宋氏によると、卵子の"質"も大きく関わるという。35歳を過ぎると妊娠の成功率は明らかに下がるが、若い提供者の卵子を用いた場合には大きく影響しないことが分かっている。つまり、女性の身体や子宮の機能が加齢により低下していたとしても、卵子が若く質が良ければ妊娠の可能性は高いということだ。

 男性の場合はどうか。実は、精子の状態も加齢とともに悪くなる。同氏によれば、30歳代と比べると、50歳以上では精液量は3~22%、精子運動率は3~37%低下してしまう。また、世界保健機関(WHO)の調査データによると、実は不妊の原因の5割は男性側にあることが分かっており、男性も妊活に対する認識を改める必要がある。

「ふたりの妊活」はかけがえのない費用と時間の節約にメリット

 つまり、妊娠には男女とも"タイムリミット"がある。そこで宋氏が提唱するのが、パートナーと取り組む「ふたりの妊活」だ。現状、妊活・不妊治療は、女性の場合①自己流妊活②タイミング法③人工授精④体外受精⑤顕微授精の流れになる。一方、男性は③の段階で初めて検査を受けるため、ここでようやく原因が見つかり治療が開始される。①の段階から男性が加われば、異常がある場合には早くから治療を始められ、治療期間の短縮や費用の節約につながる。また、早くから取り組むことで年齢的に妊娠の可能性も高くなる。

 宋氏は、「男性の妊活に対する当事者意識が低いまま子宝に恵まれると、その後の育児がハッピーには進まないかもしれない。ともに苦労を乗り越えることで、妊娠や育児に対してより主体的になり、妊活以外でもパートナー間コミュニケーションが取りやすくなる可能性がある。男女ともにタイムリミットがある。だから子供が欲しいと思ったら"ふたり"で妊活を」と呼びかけている。

(あなたの健康百科編集部)